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第24話

俺が誰かに傍に居てほしいと思うなんて。 『緋桜くんが寝るまでここにいるよ』 ………なんで木崎は俺が考えてることが分かるんだろう。 俺の事を知ってて、なんで傍にいるんだろう。 そう思って木崎を盗み見していたら、ふと木崎と目が合った。 俺は慌てて目を逸らした。 「緋桜くん?どうしたの、気分悪い?」 そう言って木崎が覗き込んでくる。 俺は慌てて首を振った。 「……大丈夫」 そう言うと、木崎は『そう』と言ってホッと息を吐いた。 木崎は俺の回りに居なかったタイプ。 大抵の人は、俺の事を知ると離れていった。 離れなくても、態度が変わる。 よそよそしくなって、腫れ物を扱うような感じになる。 そういう人はそれが嫌で、俺から離れた。 でも木崎はどっちでもない。 俺の事を知っても、態度が全く変わらない。 やっぱり俺には、木崎が分からない。 「……木崎」 「なに?」 俺が声を掛けると、木崎の表情が明るくなった。 「……なんで、俺が公園にいるって…分かったんだ?」 俺が公園にいたのは偶然だ。たまたま目について、休もうと思っただけ。 「なんでって……何となくかな」 「何となく?」 「うん、なんか気になってね。俺そういう勘って結構当たるんだ」 そう言って木崎は笑う。 「……勘?」 勘って当たるものなのか?俺は、勘なんて当たったことがない。 「俺、こう見えて結構運がいいんだ。だから、緋桜くんと居ても大丈夫」 「………どういう意味?」 「確かに緋桜くんは運が悪いかも知れないけど、俺と居ればそれが緩和されると思うんだ」 「は?」 突拍子もないことを言い出す木崎に、俺は思わずきょとんとしてしまう。 「いや、だからね。俺と居れば、緋桜くんの運も小吉くらいにはなると思うんだ」 …………こいつは確か新入生代表を勤めて、一年生で異例の生徒会長を務めてて頭は良い筈。そんな奴がこんな事言うなんて………… 「お前って……バカ……」

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