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第26話
(佐々木side)
夜中に秋哉から電話が掛かってきた。
呼びに来るんじゃなくて、電話でって。もしかして、緋桜くんに何かあったのか?
「秋哉!?」
俺は慌てて、二人いる部屋のドアを開けた。
「佐々木、これどうすればいい?」
「は?」
そこには、秋哉が緋桜くんに服を掴まれて身動きが取れなくて慌てている。
その状況を見ると、緋桜くんに服を掴まれて離そうにも触れないから困ってるってところか 。
「佐々木、緋桜の熱が上がってる」
呑気に状況分析していると、秋哉がそう言う。
その言葉に俺は緋桜くんの様子を見た。
緋桜くんを見ると、意識は無くて、少し触れてみるとかなり熱い。
「……意識ないな、熱は計ったのか?」
「9度4分だった」
「高いな……医者呼ぶからちょっと待ってろ」
そう言って、俺は一度部屋を出た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(秋哉side)
俺は佐々木が部屋を出ていった後、服を掴んでる緋桜の手を外してみる。
でも余程強く握ってるのか、なかなか外れない。
俺はため息をついて、ベッドの縁に座った。
……多分、これも無意識だろうな
緋桜を見ると、目を閉じて荒い呼吸を繰り返している。
俺はそっと緋桜に触れてみた。
……熱いな。
俺は眠る緋桜を見つめる。
辛いなら辛いって言えばいいのに。
こうやって、助けを求めればいいのに。
寂しかったら、頼ればいい。
………俺が全部、受け止めてやるから。
しばらくすると、佐々木が医者を連れてきた。
医者の診断では、一時的に熱が上がってるだけで心配いらないとのことだった。
俺はそれを聞いてホッと息を吐いた。
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