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第41話
(秋哉side)
「あ~あ、せっかく緋桜に会えたのに」
そう言って俺はため息をついた。
「………お前さぁ、結構大変なとこいったな」
「どういう意味です?」
緋桜が居なくなって佐倉先輩がそう言う。
俺は意味が分からなくて、首を傾げた。
「お前、中村の事好きだろ?」
そう言って佐倉先輩がニヤッと笑う 。
「好きですよ、それが何か?」
「うわっ、隠す気ゼロかよ」
「隠したところで先輩にはすぐバレると思って」
「まぁな。でも、まさかお前が男を好きになるとは思わなかった」
『男が良いのか?』と佐倉先輩が聞いてくる。
「別に男が好きなんじゃなくて、好きになったのがたまたま男だったってだけですよ」
そう言うと、先輩はふーんと答えるだけだった。
「……でも、中村って人の事嫌いっぽいけど」
「うん、色々あるみたい。本当はもっと仲良くしたいんですけどね」
「まぁ、がんばれー」
と先輩は棒読みで言った。
「うわっ他人事!まぁ頑張りますけどね」
そう言うと、先輩はクスッと笑った。
「しかし、中村はなんでお前から逃げてんだ?」
「んー、多分俺が一緒に暮らそうって言ったから?」
「はぁ!?お前、そんな事言ったの?」
と先輩が大声を上げる
「いや、だって、緋桜は一人暮らしだし、なんか危なっかしいから一緒に居た方がすぐに助けられると思って」
それを聞いて先輩はため息をついた。
「お前、それ断られただろ?」
「なんで分かるんですか?」
「お前、いろんな事すっ飛ばしすぎ!それじゃあ逃げられて当たり前!」
俺はそう言う先輩に首を傾げた。
先輩はまたため息をついた。
「取り合えず、お前は急ぎすぎ!もう少しゆっくり行け!」
そう言って先輩は、自分の教室に戻っていった。
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