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第48話

(秋哉side) 「秋哉くんは中村くんが大好きなのね」 宮藤先輩がクスクスと笑いながら言う。 「こいつ、中村にベタ惚れだからなぁ」 佐倉先輩がニヤリと笑いながら言う。 「会長は顔に出ますから」 日向先輩がフッと笑いながら言った。 「………おい、お前らいい加減にしろよ?」 俺が怒りを籠めてそう言うと、 「おいおい秋哉、素が出てるぞ?」 「秋哉くん、怖~い」 「会長、中村くんが居ること忘れてないですか?」 と3人がそれぞれに言ってくる。 「……くっ」 学園祭についての話し合いをするはずが、いつの間にか俺の話になっていた。 この3人には、俺でも勝てない。 話し合いはこの3人のせいで、大幅に長引いてしまった。 「緋桜、ごめんお待たせ………と」 ようやく話し合いが終わって緋桜を呼ぶと、緋桜はソファーで寝息をたてていた。 「あら、待ちくたびれちゃったのね」 後ろから宮藤先輩がフフッと笑いながら覗き込んできた。 「どうするんだ?起こすか?」 佐倉先輩も横から言う。 「いや、俺が残りますよ」 皆は先に帰ってくださいと俺は言った。 時計を見ると、既に3時を過ぎてた。 もう一日目が終わるな。 俺は眠っている緋桜をチラッと見る。 多分、慣れないことをして疲れたんだな。 押しきられたとはいえ、ああいう格好をして人前に立つってことは緋桜にとって大変な事なんだ。 俺はため息をつく。 ………なんで緋桜は人と関わるのを嫌うんだろうな。話してくれれば良いんだけどな。

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