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第49話

ふと目を開ける。 ………あれ、俺 「起きた?」 状況が掴めなくてぼやっとしてると、そう声がする。 声がする方を見ると、木崎が本を読みながらこっちを見ていた。 「……ごめん、俺、もしかして寝てた?」 「疲れたんでしょ」 木崎の後ろの窓の外を見ると、空が赤らんでいる。 ここに来たのは昼だったから、結構な時間が経ってるのが分かる。 「起こしてくれればいいのに」 「気持ち良さそうに寝てたから」 そう言って、木崎はクスッと笑う。 じゃあ帰ろうかと言って、木崎は立ち上がった。 学園祭の一日目が終わって、まだ結構な生徒が明日の準備のために残っていた。 俺は周りを見ながら歩いていた。俺は木崎をチラッと見る。 ………木崎と一緒に居るの、久しぶりだな。最近は木崎が忙しかったから。 「…………ようか?」 「え?」 何かを話しかけられて、聞き取れずに聞き返す。 「聞いてなかったの?」 そう言って、木崎はクスッと笑う。 「……ごめん」 「そんな謝らなくて大丈夫だよ」 そう言って、木崎は微笑んだ。 「それで、緋桜は何が見たい?」 俺は質問の意味が分からなくて首を傾げた。 「明日、一緒に回るって言ったでしょ。緋桜は何が見たい?」 「………俺、こういう学校行事は初めてで、何があるのか分からない」 「そうか……じゃあ、何が好き?」 「特には……………ごめん………」 「そんなの気にしなくていいよ。んー、でも、そうだなぁ……… うん、分かった!俺が色々案内するから、それでいいかな?」 木崎がそう言うと、俺はコクンと頷いた。 「あ……でも……本当にいいのか?」 「何が?」 「俺が一緒にいると、何かトラブルがあるかも…………」 そうしたら、木崎に迷惑がかかる。 「トラブルなんてこういう行事には付き物だよ!」 「でも……」 「俺は緋桜と一緒に回りたい、ただそれだけだよ」 「………分かった」

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