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第97話
そんなやり取りをしてると、ドアがノックされた。
それに木崎が対応する。
「なに?」
ノックしたのは、どうやら佐々木さんみたいだ。
ていうか、この家って木崎と佐々木さん以外に人がいるのか?
何気に入り浸ってるけど、佐々木さん以外見たことない 。
木崎が金持ちなのは分かる。
じゃあ、両親は?仕事は何をしてるんだ?
……そう考えると、俺は木崎のこと何も知らないんだな。
「緋桜、夕飯が出来たって!一緒に食べよう」
………夕飯?もうそんな時間なのか?
そう思って、緋桜は部屋にある時計を見た。
時計は7時を指していて、結構な時間が経ってることに気付く。
「緋桜?」
そんな事を考えていると、木崎が覗き込んできた。
俺は思わず、身体を後ろに反らせた
「……緋桜、それ地味に傷付く」
「え、あ………ごめん」
「冗談だよ」
木崎はクスクスと笑いながら、俺の頭に手を置いた
「さあ、ご飯食べよ?」
そう言って、木崎は手を差し伸べてくる。
俺はその手を取って、キッチンに向かった。
キッチンに入ると、佐々木さんが食事の準備をしていた。
木崎は早々に席に座る。
「どうしたの?緋桜も早く座ったら?」
木崎に促されて、俺も席についた。
席につくとすぐに、佐々木さんが料理を運んできた。
「どうぞ、緋桜くん」
「……ありがとうございます」
俺がお礼を言うと、佐々木さんはニコッと笑う。
……すごい豪華な料理
俺はチラッとキッチンを見た。
他の人がいる気配はない。
この料理は佐々木さん一人で作ったのかな?
今日、俺が来ることは急遽決まったことだ。
てことは、俺が来てからわざわざ作ってくれたのか?だったら、悪いことしたな。
「緋桜、どうかした?」
そう思って俯いてた俺に木崎が声を掛けてきた。
「あ、いや、佐々木さんに手間かけさせちゃったかなと思って………」
俺がそう言うと、木崎はクスクスと笑いだした。
「気にしなくていいよ、佐々木あれで喜んでるから」
「………そうなのか?」
「うん佐々木、緋桜のこと気に入ってるからね。緋桜がうちに来るのは嬉しいみたい」
特に今
「……そうか」
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