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第99話

…………いやに長いな。 緋桜が風呂に入ってから、かれこれ40分以上経っていた。 俺は少し心配になって風呂場のドアをノックしてみた。 「緋桜、大丈夫?」 そう声を掛けた瞬間、中からガタガタとすごい音がした。 「緋桜!?」 俺は慌てて、風呂場のドアを開けた。 そこには緋桜が座り込んでいた。 「ひ……」 「だ、大丈夫!」 名前を呼ぼうとした瞬間、緋桜に遮られる。 「滑っただけだから」 緋桜が心配で慌ててドアを開けたけど………… 俺は緋桜に駆け寄ろうとして、あることに気付いた ………これは、かなりマズイ 「………緋桜、俺外に出てるから」 俺はそう言って、近くにあったタオルを緋桜に渡した。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「……ありがとう」 そう言って俺は、木崎からタオルを受け取ろうと秋哉の方を見た。 木崎は何故か目を逸らして、タオルだけを差し出している。 「……木崎?」 「早くタオル受け取って!」 そう言われて、俺は慌てて木崎からタオルを受け取った 。 俺がタオルを受け取ると、木崎は足早に脱衣場から出ていった。 …………なんだったんだろう? 俺は木崎の行動の意味が分からなくて首を傾げた。 そんな事を考えながら、俺は木崎から受け取ったタオルを羽織ろうとした。 「ッ!」 俺はタオルを羽織ろうとした瞬間、ようやく木崎の行動の意味を理解した。 俺は慌ててタオルを羽織る。 木崎に心配掛けたくなくて、すっかり忘れてた。 俺は顔が熱くなった。 当然といえば当然だ。 俺はお風呂から上がったばかりで、全裸の状態だった。

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