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第117話

年がいも無く、泣く俺に緋方はクスッと笑う。 「僕ね、ずっと前から兄さんの事が好きだったんだ」 そう言って緋方は俺の頬に触れる。 それにさえ俺の身体はビクッと反応する。 「兄さんは嫌われ者だからね。だからずっと僕だけだと思ってた」 緋方はそう話ながら、頬に触れていた手を下に下げていく。 首筋、いつの間にかボタンが外されて露になった胸元、脇腹と撫でていく。 「…んっ…や……嫌だ……」 緋方に撫でられる度に身体がビクビクと反応して、下半身に熱が溜まっていく。 俺はこの感覚に覚えがあった。 「嫌だ……やめて…」 「兄さんが悪いんだよ、僕に黙って友達を作って……ましてや、恋人まで…… 兄さんは僕のものなのに!僕だけのものなのに!」 そう言って緋方の手付きがエスカレートしていく。 ……もう、何が何だか分からない。 緋方が何か言ってるけど、よく聞こえない。 もう気持ち悪いのかも、気持ちいいのかも分からない。 嫌だ。 もう嫌だ。 助けて……… 「……ゃ……」 助けて。 「……しゅ……ゃ…」 助けて。 「秋哉!!」

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