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第121話

(秋哉side) 『秋哉じゃないと嫌だ』 緋桜はそう言って、俺の服を掴んで涙を流しながらプルプルと震える。 あぁもう本当、どうして緋桜はこんなんなのかな。 「……俺が触れても平気?」 そう言って俺は、緋桜の頬にそっと触れる。 その瞬間、緋桜がピクッと反応する。 俺は緋桜の反応を見ながら、触れた手をゆっくりと頬から首に動かす。 手を動かす度に、緋桜は反応する。 「……秋哉がいい……もっと……秋哉に、触れて欲しい」 そう言って緋桜は俺の手に自分の手を重ねる。 「……それ、どうなるか分かって言ってる?」 俺がそう言うと、緋桜は小さく頷いた。 「……もう……つらい…………お願い………楽に、して……」 限界だった。 何もしないつもりだったのに、こんなに煽られたら我慢なんて出来ない。 俺は堪らず、緋桜を押し倒してキスをした。 口内を舐めると、緋桜は甘い吐息を吐く。 そんな緋桜の姿が堪らなくてしばらく続けていると、トンと弱々しく胸を叩かれる。 それに気付いて唇を離すと、緋桜は苦しそうに呼吸を繰り返していた。 「緋桜、大丈夫?」 そう聞くと、緋桜は小さく頷く。 「このまま続けても平気?」 そう聞くと、緋桜はまた小さく頷いた。 緋桜はさっきからずっと震えてるから、怖いのか薬で敏感になって辛いのか分からない。 多分、両方なんだろう。 「緋桜、服脱がすよ」 そう言って俺はシャツのボタンに手を掛ける。 ゆっくりとボタンを外して緋桜の肌が露になった。 その瞬間、緋桜が顔を赤くする。 「緋桜、触るよ」 そう言うと、緋桜は更に顔を赤くして涙目で俺を見る。 「……そう、いうの……言わなくて…いい……」 俺は緋桜が怖くないように、出来るだけこれからすることを言うようにしていた。 緋桜はそれが恐怖よりも恥ずかしかったらしい。 涙目で顔を赤くしてプルプルと震えながら見てくる緋桜は可愛くて仕方ない。 「ごめん。何をするか言った方が緋桜、怖くないと思って」 俺がそう言うと、緋桜はフイッと目を逸らした 「……大丈夫、だから……秋哉の…すきに、していい」 後の方の言葉は余りにも声が小さくてよく聞き取れなかった。 でも何て言ったのかなんとなく分かって、俺まで顔が熱くなったような気がした。

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