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第147話
(秋哉side)
一通りゲームで遊んで、次はバスケをすることになった。
屋内のため、貸し出しされてるシューズに履き替える。
格好はまぁ、俺も緋桜も動きやすい格好で来たからいいかと思う。
宮藤先輩はスカートを履いてるってことで見学することになった。
「秋哉、中村!俺と朱春とで2on2やるぞ!」
佐倉先輩がボールを持って、やる気満々で言う。
「俺は良いですけど……緋桜は大丈夫?」
「……俺、バスケやったことない」
そう言って緋桜は俯いてしまう。
「ルールは?」
「……ルールは知ってる」
「じゃあ大丈夫だろ」
そう言って緋桜の頭に手を置くと、緋桜は一瞬驚いた顔をする。
「…でも、秋哉の足引っ張る」
「大丈夫だって!緋桜、運動神経良いんだから。それに足引っ張るとか考えなくていいよ。実際、俺もバスケはあんまやったことないし」
『足を引っ張るの俺の方かも』と少し冗談っぽく言うと、緋桜の表情が柔らかくなった。
「そうだぞ中村。ただの遊びなんだからそんなに気負わなくても大丈夫!」
佐倉先輩がそう言って俺の横から突然現れてグッと親指を立てる。
そんな先輩に緋桜は驚いている。
「お前はただ楽しめばいいんだよ!」
先輩は緋桜に『な?』と言って笑う。
緋桜もそれに頷いた。
「よし!じゃあやるか!」
そう言って先輩はパンッと手を叩く。
それを合図に俺たちはコートの中に入った。
ー30分後ー
「……お前ら……あんまやったことないって……嘘だろ…?」
そう言って佐倉先輩はハァハァと息を切らせてしゃがみこむ。
「全然……敵わなかった、ですね」
そう言って日向先輩も息を切らせてその場に座り込んでしまった。
緋桜はバスケをやったことないって言ってたけど、もともと運動神経がいいのと、学習能力が高いから、最後の方には先輩たちを圧倒していた。
「中村くんすごーい!!」
俺たちのゲームを見てた宮藤先輩が興奮気味に緋桜に駆け寄る。
突然宮藤先輩に駆け寄られて緋桜は戸惑っている。
チラチラとこっちを見てくるから、恐らく助けを求めてるんだろう。
助けてあげたいけど、ああなった宮藤先輩を止めるのは俺には無理だ。
俺は心の中で緋桜に謝ると、二人を見守ることにした。
「まさか中村があんなに出来るとは思わなかったな」
宮藤先輩に絡まれてる緋桜を眺めてると、呼吸が少し整った佐倉先輩が俺の横に来て言う。
「緋桜はやる機会が無かっただけで、スポーツは多分一通り出来るとは思いまよ?」
「……そういうのは先に言っとけよな」
そう言って先輩はため息をついた。
その後、先輩がいきなり手を叩く
「よし!中村、少し休憩したらもう1ゲームするぞ!」
先輩はそう言いながら緋桜の方に向かっていった。
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