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第184話
目を覚ますと、隣には秋哉が寝てた。
部屋が暗いから、もう日が沈んだんだろう。
モゾッと動いた瞬間、体に痛みが走る。
その痛みで昼間の事を思い出した。
途端に恥ずかしくなる。
俺は目の前にある秋哉の胸に顔を埋めた。
自分から誘ったなんて初めてだ。
結局は秋哉に流された形になったから、誘ったって言われたら微妙だけど。
俺はチラッと秋哉の顔を見る。
秋哉は喜んでくれたのかな。
秋哉はいつも通りでいいって言ってた。
俺には、そのいつも通りっていうのはいまいち分からない。
でも秋哉が喜んでくれるなら、俺も嬉しいと思う。
そう思って、俺はもう一度秋哉にくっついた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(秋哉side)
目が覚めたら、緋桜が何かモゾモゾと動いていた。
俺はとりあえず寝たふりをしてみた。
様子を伺ってると、緋桜は俺の胸に顔を埋めてくる。
目を開けれないから、緋桜が何をしてるのかは分からないけど、緋桜はしばらくモゾモゾとしていた。
その後、またくっついてきたかと思ったら緋桜は動かなくなってしまった。
そっと目を開けて緋桜を見てみると、どうやらまた眠ってしまったみたいだった。
俺は少しだけ体を起こして眠ってる緋桜を見る。
緋桜は俺を喜ばせたいと言った。
俺はいつも通りでいいって言ったけど、緋桜はそれが分かってないみたいだった。
簡単なことなのにな。
こうして俺の横で、一緒に居てくれるだけで俺は嬉しい。
俺は緋桜の寝顔を見て笑みが溢れる。
緋桜の額にキスをすると、俺は緋桜を抱き締めた。
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