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第188話
秋哉は何度か俺を街に誘う。
俺が嫌がることも分かってる。
それでも秋哉が俺を誘うのは、俺に"大丈夫"だって事を知ってほしいって、前に秋哉が言ってた気がする。
大丈夫だってことは分かってる。
でもいざとなると、どうしてもしり込みをしてしまう。
どうしてもあの時の光景が頭を過る。
そんな俺に秋哉は、最悪のことを考えるより楽しいことを考えようと言った。
それは俺が考えてもいいんだろうか。
俺が楽しいって思ってしまうと、どうしても上手くいかない。
だから今まで考えないようにしてた。
でも秋哉はそれを楽しもうって言う。
やっぱり秋哉は不思議だ。
秋哉が言うと、そうなる気がする。
秋哉は雑誌とかを持ってきて色々見始めた。
こういうとこ行きたいとか、これが俺に似合いそうとか言いながら俺に雑誌を見せてくる。
俺にもどこ行きたいとか、どういうのがいいとか聞いてきたけど、そういうのは今一分からないから、ただ聞くだけになってしまった。
まだ不安ではあるけど、楽しそうな秋哉を見て、俺も少しだけ明日が楽しみになった。
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