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第194話
俺たちは公園でしばらく時間を過ごした。
座ってただ他愛もない話をする。
でも秋哉は買い物とかしなくて良かったのかなと思う。
昨日あれだけ雑誌を見ながらここ行こうとか話したのに、殆ど行けてない。
そう思ってると急に頬をムニッと摘ままれた。
「ま~た何か考えてるでしょ?」
そう言って秋哉は俺の頬をムニムニと弄る。
何で分かったんだろう。
そう思ってると、秋哉はクスクスと笑いだす。
「緋桜って意外に思ったこと顔に出るよね」
そう言って笑う秋哉に、俺は頭の中に?マークを浮かべる。
「ほら、今は意味が分かってないでしょ?」
秋哉に思ってることを言い当てられる。
そんなに考えていることが顔にでるのか?
そう思って顔に触れてみるけど、やっぱり自分では分からない。
……俺には秋哉の思ってること分からないのに。
そう思ってると秋哉が吹き出した。
「そんなにむくれないでよ」
ククッと笑いながらそう言って秋哉は俺の頬をつつく。
「……秋哉ばっかり狡い」
俺ばかり見抜かれてるみたいだ。
俺はそれがちょっとだけ悔しかった。
そんなやり取りをしてると、いつの間にか時間が経ってて空が赤らんでくる。
「そろそろ行こうか」
そう言って秋哉は立ち上がると俺に手を差し伸べてきた。
俺は頷くと、その手を取った。
街中に戻ると夕方だからなのか、昼間より人が少なくなっていた。
「ねぇ緋桜、もう一ヶ所だけ依ってって良いかな?」
そう言う秋哉に、俺は軽く頷いた。
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