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第196話

秋哉がもう一ヶ所行きたいって言った場所はアクセサリーショップ。 いや、正確にはジュエリーショップになるのか? 並んでいる商品をチラッと見ると、『0』が2つ3つ多いような気がする。 秋哉は俺に『ちょっと待ってて』と言うと、スタッフと話をし始める。 少し話をすると、秋哉はそのスタッフと一緒に奥の部屋に入っていってしまった。 1人になった俺を他のスタッフの人が気を利かせてソファに座るように勧めてくれたり、飲み物は要らないか聞いてきたりした。 俺はどうもそれが居た堪れなくて、店の外に出た。 店の外に出た俺は店の端にある段差に腰を下ろす。 そのあとも俺を気にして何人かのスタッフが声を掛けてくれたけど、大丈夫と断り続けてると次第に声を掛けられなくなって、俺はホッと息を吐いた。 気に掛けてくれるのは有り難いけど、俺なんかのために逆に申し訳なくなる。 …ここは秋哉の行き付けなのかな スタッフとのやり取りもなんかすごく慣れてたような気がする。 秋哉はここに何を買いに来たんだろう。 そう思って店の中を覗いてみると、秋哉の姿はまだ無い。 俺は何故か急に心細くなって膝を抱えた。 ……秋哉、早く戻って来ないかな。

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