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第200話
(秋哉side)
普段はちゃんと髪を乾かしてくる緋桜が珍しく濡れたままで来たから乾かしてあげることにした。
最初はなんか嫌がってたけど、押しきったら観念してくれた。
多分、こういうことをされ慣れてないんだろうな。
実際、俺も人の髪を乾かすなんて初めてだけど。
「緋桜、終わったよ」
そう言いながらドライヤーの電源を切る。
でも緋桜からの返事はなくて、顔を覗き込んでみると緋桜は寝息をたてていた。
今日は色々連れ回したし、慣れないことをしたから疲れたんだな。
そう思って緋桜の寝顔を見ると、思わず笑みが溢れる。
俺は緋桜を横抱きにするとベッドに運んだ。
俺はベッドに緋桜を寝かすとリビングに戻って鞄から今日買ったものを取り出す。
それをもって寝室に戻った。
俺は箱を開けて中身を見る。
目に見えて、けして消えない俺の証。
寝てる間に、なんてベタかな。
そう思って思わず苦笑する。
俺としてはこっちも捨てがたかったんだけどな。
そう思って俺は、緋桜の首筋についた印をなぞる。
そうするとくすぐったいのか緋桜が『ん~』と唸りながら身を捩る。
それを見て思わず笑ってしまった。
俺は緋桜の手を持つと、それをはめる。
緋桜はどんな反応するかな。
喜んでくれるかな。
そう思って、俺はそっとそれにキスをした。
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