224 / 452
第221話
(秋哉side)
「……親に、連絡を取ってみようと思う」
緋桜がそう言ってきたのは、あれから一週間後のことだった。
緋桜がずっと悩んでたのは知ってる。
母親の携帯番号を眺めていたのも知ってる。
「大丈夫?」
そう聞くと、緋桜は俯いてしまう。
「……このままじゃ、ダメ…だから」
かろうじて聞こえる声で緋桜が呟く。
「……何とかしなきゃって、ずっと思ってた
でも……なかなか決心、出来なくて……ズルズルと…後回しにしてた。本当は…怖い、けど……このままじゃ、何も変わらない」
緋桜は今にも消えそうな声で、体を震わせてそう言う。
「…うん、分かった」
緋桜が決断したのなら、俺は見守るだけだ。
そう思ってると、緋桜が俺の服の裾を引っ張ってきた。
「……その前に、秋哉に話さなきゃ、いけないことある」
ともだちにシェアしよう!