226 / 452
第223話
親に連絡を取ると決めたとき、火事の事が気になってた。
それはあの火事が事故ではなく、放火だったこと。
あの時俺は、学校帰りにたまたま居合わせた。
犯人は俺の事に気付いてなかったみたいだけど。
本当は止めることも出来た。
でもこれも俺のせいだと思ったら、足が動かなかった。
燃えていく家をただ眺めてる事しか出来なかった。
その後消防の人や警察の人に色々聞かれたけど、犯人の事を言うことが出来なかった。
でも今は違う。
それが間違いだったって思える。
だから秋哉に話そうと思った。
秋哉は話終わった後、『少し待ってて』と言って部屋を出ていってしまった。
秋哉はこの話を聞いてどう思った?
俺の事、呆れた?
それとも軽蔑した?
しばらくすると秋哉が戻ってきた。
秋哉がどう思ったのか知るのが怖くて秋哉の顔がまともに見れない。
そう思ってると、秋哉からクスッと笑い声が聞こえてきた。
「大丈夫だよ」
恐る恐る見ると、秋哉はそう言って微笑んだ。秋哉はそのまま俺の横に座る。
「さっきの話、佐々木に伝えてきた」
「え?」
「近いうち、犯人捕まるよ」
『緋桜が話してくれたお陰』と秋哉は言う。
犯人を捕まえるとか、そこまで考えてなかった。
ともだちにシェアしよう!