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第227話

(秋哉side) 緋桜の実家に行くのは次の休みの日にした。 その事を緋桜にメールで親に伝えてもらった。 メールの内容は『次の休みに帰る』ってすごいシンプルな内容だったけど、話したりするわけじゃないから電話の時よりは幾分かスムーズに送れてた。 緋桜がメールを送ってから数分、お母さんから返事が来たみたいで、それを読んだ緋桜が少し嬉しそうに笑った。 緋桜は避けてはいるけど、親の事が好きなんだろう。 いや、好きだからこそ避けてるのか。 今回会うことで変われば良いんどけど。 「で?お前も行くの?」 そう佐倉先輩が聞いてくる。 ここ最近緋桜の実家の火事のことで警察に呼ばれて、事情聴取とかなんやらで俺も緋桜も学校を休むことが多くて、流石に先輩たちに隠しておけなくて一通り話した。 で、話の流れで緋桜の実家に行くことも言った。 「行きますよ」 「息子さんをくださいって?」 そう言って先輩はニヤッと笑う。 「そういう訳じゃ………」 いや、そうなのか? 実際、一緒に住むことを許して貰うことになるし。 そうなると、俺たちの関係も話すことになるな。 「そういうことになるんですかね?」 「……いや、それを俺に聞かれても」

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