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第239話

(秋哉side) ゆかりさんからメールがきて、緋桜にも届いてるかと思って緋桜の所に行った。 部屋に入ると、緋桜が床に蹲っていた。 慌てて駆け寄ると、緋桜は胸を押さえてヒューヒューと苦しそうな呼吸を繰り返していた。 この症状、前に何度かあった。 俺は蹲ってる緋桜を抱き締めた。 背中を叩いて呼吸を促す。 トントンとゆっくり叩くと、次第に落ち着いてきて俺はホッと息を吐いた。 緋桜はそのまま気を失うように眠ってしまった。 俺は緋桜をベッドに寝かせると、佐々木に言って医者を呼んで診てもらった。 診察の結果、何ともないということで取り敢えず安心した。 俺は眠ってる緋桜の横に座って額に掛かった髪を避けた。 過呼吸なんて、最近は全く無かった。 緋桜が前に過呼吸起こしたのは確か事故の事がフラッシュバックした時、後は……… 俺は緋桜に視線を向ける。 ………緋桜がこうなるのは大抵トラウマが関係してる。 緋桜のトラウマは完全とは言えないけど、改善されたと思ってた。 俺は緋桜の頭をそっと撫でる。 ……ねぇ緋桜、今度は何を抱えてるの?

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