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第247話

(秋哉side) 結局、緋桜がご飯を作ることになった。 佐倉先輩が宮藤先輩に『中村の料理か、食べに行くかどっちが良い』と聞いて、宮藤先輩は緋桜の料理と即答した。 さっきまでは自分が作ると捏ねてたくせに。 緋桜が食べたいものを聞くと、先輩たちからでたのはオムライス。 また微妙に難しいものを……… その後緋桜は『オムライス……作れるかな……』と呟きながら作り方を携帯で調べてた。 緋桜のアパートからは歩いてすぐのところにスーパーがあった。 俺と緋桜はオムライスの材料を買うためにそこに来ていた。 チラッと緋桜を見ると、何かブツブツと言ってる。 何を言ってるのかと思って聞いてると、『チキンライスを作って………卵……』 どうやらさっき携帯で見てたオムライスの作り方を復唱してるみたいだった。 「緋桜、そんな気負わなくてもいいよ?」 俺がそう言うと、緋桜は小さく首を振る。 「…先輩たちに不味いもの食べさせられない」 本当、真面目だなぁ。 そう思って、俺は思わずクスッと笑ってしまった。 「じゃあ頑張って作らないとね」 そう言って緋桜の頭に手を置くと、緋桜はコクンと頷いた。

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