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第251話
(秋哉side)
緋桜が作ったオムライスを先輩たちは『美味しい、美味しい』と言って食べてた。
俺も緋桜が作った料理は初めてだったけど、かなり美味しかった。
それを聞いて、不安そうだった緋桜も安心したみたいだった。
その後は部屋を完全に片付けて解散した。
俺たちも佐々木に迎えに来てもらって帰ることにした。
「美味しいって言ってもらえて良かった」
車に乗ると、緋桜がそう呟く。
「先輩たちも喜んでたね」
俺がそう言うと、緋桜は嬉しそうに笑って頷いた。
「俺も緋桜の料理初めて食べたけど、本当美味しかった」
『また作ってよ』って言うと、緋桜は何か言いたげな顔をした。
「何言ってるんですか秋哉さん。緋桜くんの料理ならいつも食べてるじゃないですか」
俺たちの話を聞いてた佐々木が運転しながらそう言う。
「え?」
「朝食とか夕食で緋桜くんが手伝ってくれる時は、一品二品くらいは作ってもらってるんですよ」
緋桜を見ると、緋桜は少し照れたような顔をして目を逸らした。
「まじで!?何で言ってくれないの!?」
そう言いながら俺は顔を手で覆って、最大にため息をついた。
なにこれ?なんかすっごい損した気分。
「……ごめん」
俺が怒ったと思ったのか、緋桜はシュンとして謝ってきた。
「別に怒ってないよ。でも言ってはほしかったかな」
そう言うと、緋桜はまた『ごめん』と言った。
「もう謝らなくてもいいよ。ん~でも、また今度ちゃんと作ってよ」
「……ご飯?」
「そう、緋桜が作ったって知らずに食べてたって、なんかちょっと悔しいからね。それから、緋桜が作った時はちゃんと教えてね」
俺がそう言うと、緋桜は少し考えてから小さく頷いた。
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