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第261話
競技の選定は本来なら生徒会長がするらしいけど、今期の生徒会長の秋哉が一年生で体育祭自体が初めてってこともあり、副会長の佐倉先輩がすることになった。
「……どうしたんだ?」
俺の隣には何故か沈んでる秋哉がいた。
「……すっごい不安」
「…なにが?」
「だって、あの先輩が競技選ぶんだぞ?」
『一体どんな競技を選んでくるか…』と言いながら秋哉は頭を抱えていた。
「……いくら先輩でもそこら辺はわきまえてるだろ?」
「……そうだよな?」
そう言って秋哉は笑うけど、その後ため息をついていた。
俺は体育祭とか参加したことがあまり無いからどんな競技があるのかは分からないけど、イメージ的にはリレーとかメートル走とかかな?
「競技の許可貰ってきたぞ」
そう言って佐倉先輩が生徒会室に入ってきた。
それを聞いた秋哉が真っ先にその書類に目を通す。
体育祭の競技は全部で10種目。
生徒会が選出した競技を理事長に許可してもらうことで決まる。
だから毎年競技内容は違う。
生徒会長によっては変な競技もたまにあるらしい。
秋哉曰く、他の学校ではそんな決め方はしないって言ってた。
俺にはよく分からないけど。
秋哉は競技が書かれた書類を真剣な顔で見る。
一通り見終わってホッと息を吐いた。
「良かった、変な競技は無いみたい」
そうボソッと呟く。
「当たり前だろ。いくら俺でも変な競技なんて選ばないって」
そう言って佐倉先輩は笑う。
「ですよね」
先輩に釣られて秋哉も笑った。
でもその後、先輩がニヤッと笑ってたことに俺たちは気付かなかった。
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