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第285話
(秋哉side)
先輩たちに『俺も寝る』と伝えて、俺は寝てしまった緋桜を抱えてベッドルームに向かった。
緋桜をベッドに寝かせると、俺もその横に寝転がった。
俺は緋桜の方に体制を向けると、緋桜の頭を撫でる。
最初は不安がってた緋桜も、皆でご飯を食べて、買い物して、海を見て……
『来て良かった』と言った。
先輩たちを誘ったのは正解だったかもしれない。
緋桜が楽しそうで良かった。
そう考えながら緋桜の頭を撫でてると、緋桜が寝返りをうってすり寄ってくる。
そんな緋桜を見て、笑みが溢れた。
「おやすみ」
そう言って、俺は緋桜を抱き締めて眠った。
どれくらい寝てたのか、何かの物音で意識が浮上する。
ボソボソと誰かが話してる声と、『ピピッ』『ピピッ』と連続で鳴る機械音。
なんだと思って目を開けると、目の前には何かあって、俺は咄嗟にそれを手で遮った。
最初はそれが何なのか分からなかったけど、触れてみてそれがカメラだと分かる。
その奥には人影が3つ見えて、顔は見えなくても誰かなんて考えるまでも無かった。
俺が体を起こすと、隣に寝てた緋桜も起きてしまった。
先輩たちに何してるのか聞いてみると、寝起きドッキリなんてふざけた答えが返ってきて、俺は問答無用でベッドルームから追い出した。
「……ったく、何考えてるんだ、あの人たちは」
先輩たちを追い出して、ため息をつきながらベッドに戻る。
「……先輩たち、何だったの?」
起きてしまった緋桜が首を傾げながら聞いてくる。
「寝起きドッキリだってさ」
「……寝起き、ドッキリ?」
緋桜は『寝起きドッキリ』を知らないみたいで、また首を傾げてる。
「…確か、部屋に忍び込んで、寝てる人を変な起こし方で起こしてびっくりさせるってやつだと思ったけど」
正直、俺もよく知らない。
「それより……」
そう言って俺は緋桜の首に腕を回すと、緋桜を引っ張る。
俺と緋桜はそのまま一緒にベッドに倒れ込んだ。
緋桜は驚いて、目をパチクリさせていた。
「まだ早いし、もう少し寝よ?」
俺がそう言うと、驚いた顔をしてた緋桜が微笑む。
「うん」
緋桜は小さく頷くと、俺にすり寄ってきた。
そんな緋桜を抱き締めて、俺たちはまた眠りについた。
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