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第307話
(秋哉side)
宮藤先輩の撮った写真にあり得ない人を見つけた。
俺は先輩からデジカメを借りて佐々木のところに向かった。
「佐々木、ちょっといい?」
俺はキッチンで後片付けをしてる佐々木に声を掛ける。
「秋哉さん?どうしたんですか?」
「ちょっとこれ見て欲しいんだけど」
そう言って俺はデジカメを佐々木に見せた。
「社長!?」
デジカメに写る写真を見て佐々木が驚く。
「……やっぱりそうだよな」
見間違いであって欲しいと思ってたけど、佐々木の反応で、この写真に写ってるのはやっぱり思った通りの人だと確信する。
「これって、旅行の時の写真ですよね?」
そう聞かれて、俺は頷く。
「どうして社長がこんなところに?」
「…佐々木も知らなかったのか?」
そう言うと、佐々木が頷く。
「………何が目的だと思う?」
そう聞くと、佐々木は考え出した。
「分からないけど、何かしらあるのは確かかと」
「…………だよな」
偶然にしろ、必然にしろ何か企んでるのは間違いない。
おまけに緋桜にまで接触してる。
ちょっと、注意してた方がいいか。
「一度、当間さんに連絡取ってみます」
『多分、当間さんも一緒だったと思うので』と佐々木は言う。
「頼む。俺の方も一度連絡取ってみる」
そう言うと、佐々木は頷いた。
とは言っても、あの人が俺からの連絡を受けるとは思えないけどな。
そう思うとため息が出た。
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