310 / 452

第307話

(秋哉side) 宮藤先輩の撮った写真にあり得ない人を見つけた。 俺は先輩からデジカメを借りて佐々木のところに向かった。 「佐々木、ちょっといい?」 俺はキッチンで後片付けをしてる佐々木に声を掛ける。 「秋哉さん?どうしたんですか?」 「ちょっとこれ見て欲しいんだけど」 そう言って俺はデジカメを佐々木に見せた。 「社長!?」 デジカメに写る写真を見て佐々木が驚く。 「……やっぱりそうだよな」 見間違いであって欲しいと思ってたけど、佐々木の反応で、この写真に写ってるのはやっぱり思った通りの人だと確信する。 「これって、旅行の時の写真ですよね?」 そう聞かれて、俺は頷く。 「どうして社長がこんなところに?」 「…佐々木も知らなかったのか?」 そう言うと、佐々木が頷く。 「………何が目的だと思う?」 そう聞くと、佐々木は考え出した。 「分からないけど、何かしらあるのは確かかと」 「…………だよな」 偶然にしろ、必然にしろ何か企んでるのは間違いない。 おまけに緋桜にまで接触してる。 ちょっと、注意してた方がいいか。 「一度、当間さんに連絡取ってみます」 『多分、当間さんも一緒だったと思うので』と佐々木は言う。 「頼む。俺の方も一度連絡取ってみる」 そう言うと、佐々木は頷いた。 とは言っても、あの人が俺からの連絡を受けるとは思えないけどな。 そう思うとため息が出た。

ともだちにシェアしよう!