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第311話

(秋哉side) 佐々木に言われた通り、学校の中を探して見るけど、緋桜の姿はない。 ていうより、無駄な気がする。 探す前から何となくもう緋桜は学校に居ないんじゃないかと思ってた。 俺は学校を探すのを止めて、佐々木と合流することにした。 佐々木にそう連絡すると、迎えに行こうかと言う佐々木を断って先に行ってもらうことにした。 俺はタクシーを呼んで、それで向かうことにした。 校門のところで待ってると、数分でタクシーが到着する。 高校生が学校までタクシーを呼ぶことに驚かれたけど、そんな事は今はどうでもいい。 俺はタクシーに乗り込むと行き先を告げた。 多分、緋桜を連れてったのは当間さんだ。 緋桜が見ず知らずの人に簡単に着いてくとは思えないから、色々手を使ったんだろう。 本当、緋桜に伝えておくべきだったな。 緋桜に怖い思いをさせてしまった。 そんな事を考えてると、目的地に到着した。 俺は料金を払ってタクシーから下りると、目の前のビルに入った。 ……ここに来るのも久しぶりだな。 小学校くらいまではよく連れて来られたけど、最近では全然だ。 ていうよりは、俺の方が避けてるかもしれない。 中に入ると、その場にいた人たちの視線が集まる。 こんな所に高校生が一人で来るってのが珍しいのかもしれない。 俺はそんな視線は無視して、奥に進んだ。

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