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第321話

「まぁとにかく、生徒会長と出会って、俺は今の学校に行こって決めたんだよ」 秋哉は気を取り直すように少し咳払いするとまた話し始める。 俺としては荒れてた時の秋哉が気になるところだけど、今はこっちの話の方が重要だ。 「前の生徒会長さんってどんな人なの?」 そう聞くと、秋哉は悩み始めた。 「どんな人……うーん………一言で言うなら、変な人…だな」 「……変な人?」 ……どうしよう、ますます分からない。 「何て言えば良いのか…… 強いて言えば、あの先輩たちを推薦した人たちを纏めてた人?」 「………………あ、うん…何となく分かったような気がする」 何となく、変わった人なんだろうなという事は理解した。 でも秋哉がここまで慕ってる人だから、いい人なんだろうな。 「で、話を戻すけど、生徒会長と出会ってあの学校に行こって決めたはいいけど、それが原因で生徒会長があの人に目を着けられたんだ」 「……どうして?」 生徒会長に選ばれるくらい優秀な人でも、秋哉のお父さんは認めないのかな。 「あの学校は俺があの人に行くように言われてた学校とは違うんだよ。まぁ俺も元々その学校にいくつもりはなかったけど、あの人はそれを生徒会長のせいだと思ったみたい」 「それで圧力かけてきたの?」 「うん、その生徒会長が俺から離れれば、俺が今の学校を辞めるとでも思ったんじゃないかな。 でも生徒会長は離れる気はないってずっと俺の側に居てくれた。 先輩たちも同じ、あの人の圧力受けても関係ないって言ってくれた」 先輩たちと生徒会長さんが居なかったら、もしかしたら秋哉は学校を辞めてたかもしれない。 俺は秋哉に出会えなかったかもしれないんだ。

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