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第336話

(佐倉side) 「どうだった?」 俺は中村と話終えた叔父さんにそう聞いてみる。 「んー、確かに人見知りは激しいな。人見知りって言うよりは、人と接することを怖がってる感じかな」 それを初見で見抜いたのか……すごいな。 「でも流石だね。あの中村がもう普通に叔父さんと接してた」 「俺がお前の叔父ってのが強いんじゃないか?」 「……どういう意味?」 「さぁ?」 そう言って叔父さんはクスクスと意味ありげに笑う。 俺はそれに首を傾げた。 「まぁ、人見知りとか話し方にたどたどしさはあるけど、人の言葉を聞かない訳じゃないし、自分の意見も言えるから大丈夫だと思うよ」 そう言って叔父さんに笑った。 秋哉にはあぁ言ったけど、俺自身、正直不安だった。 叔父さんだったら大丈夫とは思ったけど、中村が叔父さんを受け入れるかどうか分からなかった。 中村が平気そうで良かった。 そう思って俺は、秋哉と話してる中村に視線を向けた。 「ところであの二人はどういう関係なんだ?」 同じように中村と秋哉を見てた叔父さんがそう聞いてくる。 これは言っても良いのかどうなのか…… 「…あ~、それは……」 俺が言葉を濁してると、叔父さんがクスッと笑う。 「まぁ見てればだいたい分かるけどな。緋桜くんがあんな表情をするのは、そういう事だろう」 『別に良いんじゃないか』と叔父さんは言う。 やっぱり叔父さんに任せて正解だったなと思う。 ここで中村が上手く成長出来れば良いんだけどな。 「あぁ、そうそう!緋桜くんにお前の小さい頃の話したぞ」 「はぁ!?」 「すごい興味津々で聞いてた」 そう言って叔父さんはクスクスと笑う。 「ちょ!?何勝手な事してんの!?」 「良いだろ、別に減るもんじゃないし」 そう言って叔父さんは笑いながら中村と秋哉の元に歩いていった。

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