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第348話
高橋さんと話してると『すいませーん』とお客さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
「さぁ仕事に戻らなきゃ」
そう言って高橋さんはお客さんの元に走っていった。
俺も仕事しなきゃと思って出来る事を探す。
「緋桜くん」
片付けをしようとしていると、高橋さんに呼ばれる。
「これお願い」
手渡されたのはトレイに乗った三種類のジュースとケーキ。
「3番テーブルのお客さんね」
そう言われて俺は3番テーブルを確認した。
そのテーブルには3人の女子高生が何やら話に盛り上がってる。
俺はフゥと息を吐いて少し気合いを入れた。
最近、よく配膳は任されるようになった。
最初より慣れてはきたけど、やっぱり緊張する。
俺は慎重に3番テーブルまで注文の品を運んだ。
「お待たせしました」
そう言ってテーブルの上にジュースとケーキを置いていく。
全部置いて、俺はホッと息を吐いた。
「注文の品はお揃いですか?」
そう聞くと女子高生たちは頷く。
俺はそれを確認してその場を離れようとした時、突然手を掴まれた。
「ねぇ君、名前何て言うの?」
「噂通りカッコいい!」
「ねぇ、どこの高校?」
と3人が口々に言う。
「え……あの…」
これはどうすればいいの!?
手を掴まれてるから、離れるにも離れられない。
そう思ってオロオロしてると、バンッとテーブルが叩かれた。
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