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第356話
(秋哉side)
店に行くちょっと前。
「おっ!秋哉、ちょっとこれ見てみろよ」
生徒会室で仕事をしていると、佐倉先輩が携帯の画面を見せてくる。
「……遊んでないで仕事してくださいよ」
俺がため息混じりに言うと、先輩はニヤッと笑った。
「いいのか?中村が話題になってるのに」
「はぁ?それどういう事ですか?」
そう言うと、先輩はまた携帯の画面を見せてきた。
それはツイッターの画面で、ノワールの事が出ていた。
それを見ると、
『コーヒーとケーキが絶品!おまけにすごくカッコいい店員さんがいる!』
『今日は居なかった。あまり店には出てないみたい』
『いた!!すごくカッコいい!!』
などと色々コメントがされていた。
「これって絶対中村の事だよな。叔父さんの話だと最近女の客が増えてるらしいし」
「……そういえば、先週のバイトの時に女子高生に絡まれたって緋桜が言ってた」
そう言うと、佐倉先輩はニヤッと笑った。
「よし!今から行ってみるか」
「はぁ!?」
結局、宮藤先輩や日向先輩も加わって佐倉先輩を止める事が出来なかった。
先輩たちにやや引き磨られる感じでノワールまで来た。
窓から少し中を覗いてみると結構客がいて、やっぱり高校生とか女のお客さんが多いような気がする。
「忙しそうだし、今日は止めといた方が良いんじゃないですか?」
「大丈夫大丈夫!」
俺がそう言うと、佐倉先輩はそう言って躊躇なく店の扉を開けた。
宮藤先輩も日向先輩もそれに続く。
俺はため息をつきながら、先輩たちに着いてった。
中に入ると、客の視線が一気に向けられる。
まぁこのメンバーで来た時点で予想はついてたけど。
俺たちに気付いた緋桜が駆け寄ってくる。
俺がここに来るのは店が終わった後だから、仕事中の緋桜を見るのはちょっと新鮮だ。
少しその場で話してたら、高橋さんに『邪魔になる』と怒られてしまった。
俺たちは佐倉先輩の案内で空いてる席に座った。
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