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第367話
(秋哉side)
大きな音に、俺と高橋さんは何事だとスタッフルームに向かった。
なんだろう、さっきまで感じなかったのに。
すごく嫌な予感がする。
スタッフルームの前に来た俺は、流石に勝手に入るのはまずいと思って、高橋さんにスタッフルームのドアを開けてもらった。
俺は高橋さんの後ろから中の様子を伺った。
そこには青木が戸惑ったような困惑したような顔で立っていた。
……緋桜は?
そう思って中に入ろうとして、ドアのすぐ横で踞ってる緋桜の姿が目に入った。
「緋桜!?」
俺は緋桜に駆け寄って緋桜を覗き込む。
「緋桜!」
そう名前を呼んでも緋桜は俺を見ない。
浅い呼吸を繰り返して震えている。
……過呼吸を起こしてる?
「緋桜」
俺は何とか落ち着かせなきゃと思って、緋桜に手を伸ばした。
その瞬間、
「嫌だ!」
伸ばした手を振り払われた。
その後、緋桜の体がグラッと倒れる。
俺は慌てて倒れた緋桜の体を支えた。
見ると緋桜は気を失っていて、俺はギュッと緋桜を抱き締めた。
「………緋桜に何した?」
俺は緋桜を抱き締めたまま、立ち尽くしてる青木に視線を向けた。
こいつは緋桜に気がある。
緋桜がこんな状態になるってことは、多分こいつに何かされた。
こんな事なら、緋桜を一人で行かせるんじゃなかった。
そう思って、俺は緋桜を抱き締める手に力が入る。
俺は青木に対しても、それを止められなかった自身に対しても怒りが込み上げてきてどうにかなりそうだった。
「木崎くん、それよりも今は緋桜くんを病院に連れていこう」
怒りで我を忘れそうになった時、高橋さんがそう言って俺の肩に手を置いた。
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