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第369話
(秋哉side)
俺は緋桜を抱えて迎えに来てる佐々木の元に向かった。
佐々木は店の前に車を停めて下りて待ってた。
「佐々木!」
俺は車の前で待ってる佐々木に声を掛ける。
「っ!緋桜くん!?どうしたんですか!?」
佐々木は見るなり抱えてる緋桜を見て驚いた顔を見せた。
「説明は後だ!すぐに病院に向かってくれ」
そう言うと、佐々木はすぐに後部座席のドアを開ける。
「乗ってください」
俺は緋桜を抱えたまま、車に乗り込んだ。
佐々木は俺が乗ったのを確認すると、ドアを閉めて自分も運転席に乗り込んで車を走らせた。
「……何があったんですか?」
佐々木はバックミラーで俺を確認しつつそう聞いてくる。
「青木が緋桜に何かした」
「何かって?」
「………俺にも分からない」
完全に油断してた。
大丈夫だろうと思ってしまった。
青木が緋桜に気があるって分かってたのに。
さっきから嫌な予感が消えない。
何もなければそれで良い。
頼むから、何事も無く目覚めて……
そう願って、俺は緋桜を抱き締めた。
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