401 / 452
第397話
(秋哉side)
突然ドアが叩かれて体が揺れた。
「……緋桜?」
『………どうして?どうして秋哉が自分を責めるの?』
……緋桜、泣いてる?
「これは、俺のせいだから。緋桜を守れなかった俺のせい」
そう言うと、またバンとドアが叩かれた。
『守ってくれなんて頼んでない。どうして秋哉は全部自分のせいにするの?これは俺が悪いのに、それも秋哉は自分のせいにしてしまう』
「それは緋桜も同じだろ?全部自分1人で抱え込んで、苦しんで……なのに、それを隠そうとする」
俺はそっと扉に触れる。
「俺は頼りないかもしれない、緋桜を守るとか言って全然守れてない。それでも、緋桜と一緒に居たいと思ってしまう。
ねぇ、緋桜は今何を考えてる?緋桜が今思ってること、教えて」
そう言うと、ドアの向こうから啜り泣く声が聞こえてきた。
「……緋桜」
緋桜の気持ちを無視して勝手に離れることを決めた俺に、緋桜は怒ってるかもしれない。
どんなに怒っててもいい。今は緋桜の気持ちが知りたい。
ともだちにシェアしよう!