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第398話

秋哉は勝手過ぎる。 秋哉が望んだから、俺はここに帰って来たんだ。 秋哉が望んだから、秋哉と距離を置くことを選んだんだ。 今何を考えてる?思ってること教えて? そんなの決まってる。 「……秋哉と一緒に居たい。秋哉と離れたくない」 俺はその場に座り込んでしまった。 感情が溢れてきて涙が止まらない。 もう離れてるのは嫌だ。 「………秋哉の傍に……居たい」 そう言うと、部屋のドアが開いた。 見上げると秋哉が立ってた。 完全に無意識だった。 怖いとか、そんな事考えてる余裕なんてこれっぽっちも無かった。 俺は精一杯、秋哉に手を伸ばした。 多分、これが最後。 これを逃したら、秋哉とは一緒に居られない。 そう思った。

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