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第402話
家を出て、しばらく歩いたところに見慣れた車が停まってた。
俺たちに気付いた佐々木さんが車から降りてくる。
「緋桜くん!」
佐々木さんは真っ先に俺の方に向かってきた。
俺はそれが一瞬怖くて、思わず後退ってしまった。
佐々木さんもそれに気付いたのか、手前で足を止めた。
なんかそれが凄く申し訳なかった。
そんな事を考えていると、繋いでいた秋哉の手に力が入る。
秋哉を見ると、秋哉はニコッと笑っていた。
『大丈夫』
秋哉は声には出さずに口だけ動かす。
その後秋哉は視線を佐々木さんに向けた。
俺もそれに釣られて佐々木さんを見ると、佐々木さんは優しく微笑んでいた。
「久しぶりだね、元気そうで良かったよ」
そう言って佐々木さんは笑う。
俺はその笑顔にホッと息を吐いた。
「緋桜くんが居るってことは、上手く話せたみたいだな」
佐々木さんが秋哉に向かってそう言う。
「上手くかどうかは分からないけど、緋桜とはまた一緒に住むことになった。ゆかりさんにも了承は取ってる」
秋哉がそう言うと、佐々木さんはホッとした表情を見せた。
俺は佐々木さんにもかなり心配掛けてたんだ。
そう思ってると、佐々木さんと目が合う。
その瞬間、佐々木さんがニコッと笑った。
「緋桜くん、これからまたよろしくね」
「はい」
「で、この後はどうするんだ?帰るのか?」
秋哉に向き直った佐々木さんが秋哉にそう聞く。
「いや、泊まることになった」
「そうか、じゃあ着替えとか持ってきた方が良いか」
「あ、ちなみにお前も泊まることになったから」
秋哉がそう言うと、佐々木さんは驚いた顔をした。
「はぁ!?何でそういうことになるんだ!?」
佐々木さんが秋哉にそう聞くと、秋哉はニヤッと笑った。
「ゆかりさんたっての希望だ」
そう言って笑う秋哉はすごく楽しそうだ。
佐々木さんはそんな秋哉にため息をついた。
「……それなら仕方ないか」
「あ、あの、なんかすいません」
俺がそう言うと、佐々木さんは俺を見てニコッと笑う。
「気にしなくていいよ」
そう言って佐々木さんは笑った。
その後、佐々木さんは着替えとか色々持ってくると言って一度家に戻っていった。
佐々木さんを見送って、俺たちも戻った。
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