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第409話

目を開けると、ここ最近見ていた天井と違うことに気付く。 ………あれ、ここって。 まだ頭がぼんやりしていて上手く状況が飲み込めなかった。 そんな事を考えてると、カチャっとドアが開いて誰かが入ってきた。 その人は音を発てないように、そっと動いてるようだった。 「……緋桜?起きてる?」 そう聞き覚えのある声が聞こえてきて、ようやく頭がはっきりしてきた。 声がした方を見ると、秋哉が少し心配そうに覗き込んでいた。 「……秋哉?」 「良かった、起きてた」 そう言って秋哉はホッと息を吐いた。 俺はその言葉の意味が分からなかった。 「起きられる?」 秋哉にそう聞かれて、俺は頷いた。 俺は起きようと体を起こそうとすると上手く起き上がれなかった。 「緋桜、ちょっと触るよ」 そう言って秋哉がそっと背中を押して起き上がらせてくれた。 だんだん頭がはっきりして思い出してくる。 そうだった、俺、秋哉の家に戻ってきたんだ。 その後寝ちゃって………今何時だろう。 そう思って俺は時計を探した。 時計を見つけて時間を見ると、時刻はAM5:35。 俺は首を傾げた。 午前?確かここに戻ってきたのは昼過ぎだった。 ってことは俺、あれからずっと寝てたの!?

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