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第432話
次の日、俺は学校に行く支度をしていた。
約2週間ぶりに着る制服。
着なれてる筈なのに、ちょっと不思議な感じがした。
俺が鏡の前でチェックしていると、コンコンとドアがノックされた。
返事をすると、秋哉が顔を出す。
「緋桜、準備出来た?」
そう聞かれて頷くと、秋哉がじっと見てきて俺は首を傾げた。
「ねぇ、本当に大丈夫?もう少し落ち着いてからの方が良くない?」
そう言って秋哉は心配そうな顔で見てくる。
「……大丈夫かどうかは分からない。でもいつ平気になるかも分からないのに、いつまでもじっとなんてしてられない」
そう言うと、秋哉はため息をついた。
「分かった、でも絶対無理だけはしないで。何かあったら、絶対俺に連絡する事」
『良いね?』と念を押されて、俺は頷いた。
準備を終えて家を出ると、既に佐々木さんが車で待機していた。
俺たちに気付いた佐々木さんが車から下りて、後部座席のドアを開けて俺と秋哉に乗るように促した。
それに従って先に秋哉が乗り込んで、俺も秋哉の後に続いた。
秋哉には大丈夫って言ったけど、やっぱり緊張する。
教室に行ったら絶対クラスメイトに話しかけられる。
そう思うと、教室に行くのが少し怖かった。
しばらく走って校門の少し手前で車が停車する。
車が停まると、佐々木さんが先に下りてドアを開けてくれた。
それに促されて下りようとする俺を、佐々木さんがじっと見てくる。
「何かあったら連絡して、すぐに迎えに来るから」
佐々木さんが少し心配そうにそう言う。
「はい」
俺が頷くと、佐々木さんはニコッと笑った。
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