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第433話

学校の前は登校時間ってこともあって、生徒が沢山歩いている。 俺は秋哉に隠れる感じで歩いた。 門の近くまで来ると、何やら生徒たちが騒いでる。 何だろうと思って秋哉と顔を見合わせた。 「あ、秋哉くんたち来た!」 騒ぎの中心からそう声が聞こえてくる。 声がした方を見ると、宮藤先輩が手を振ってるのが見えた。 宮藤先輩が叫んだ事で、回りで騒いでる生徒たちの視線が一気に俺たちに向いた。 その瞬間、俺は秋哉の影に隠れた。 「どうした、中村。やっぱり駄目そうか?」 佐倉先輩も一緒に居たみたいで、門の手前で立ち止まってる俺たちに近付いてきて秋哉の影に隠れてる俺にそう聞いてくる。 「中村くん、大丈夫ですか?」 そう言いながら日向先輩も近寄ってくる。 どうやら、この騒ぎは先輩たちが3人揃って門のところに居たせいだったみたいだ。 「いや、先輩たちのせいですよ」 と、秋哉が呆れ気味に言う。 「どうして?私たち何もしてないよ?」 そう言って宮藤先輩が首を傾げる。 先輩たちはこの視線が気にならないのかな? ……ていうか、この3人に秋哉が加わったことで更に注目されてる。 俺は出来るだけこの場を離れたくて、秋哉の服を引っ張った。 「緋桜、どうした?」 「……早く中に行きたい」 「……ちょっと顔色が悪いね。大丈夫?」 そう聞かれて頷く。 「一度、生徒会室に行こうか」 「大丈夫」 そう言うと、秋哉が笑う。 「少し休憩してからでも良いんじゃない」 そう言って秋哉が手を差し出す。 俺は頷いて、秋哉の手を取った。

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