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第435話
結局俺たちは教室には行かず、生徒会室で過ごした。
俺がコーヒーを淹れたり。
って言ってもさすがに学校にコーヒーを淹れる道具が無いからインスタントだけど。
その間、秋哉は生徒会室に残されていた資料を見ていた。
「それって、先輩たちが言ってた卒業式の資料?」
俺は秋哉にコーヒーを出すついでに聞いてみる。
「うん、先輩たちにはかなり迷惑掛けてるし、これくらいはしなきゃね」
そう言って秋哉は少し困ったように笑う。
先輩たちに迷惑掛けてるのは、秋哉じゃなくて俺なのにな。
「俺も手伝う」
「本当?じゃあこの資料をまとめてくれる」
俺は秋哉から資料を受け取ると、パソコンの前に座った。
どれくらい経ったのか、部屋の外から声が聞こえてきて生徒会室のドアが開いた。
「え!?何でお前ら居んの?」
そう言って佐倉先輩が驚いた顔で入ってくる。
「もしかして、あれからずっとここで仕事してたの!?」
と一緒に来ていた宮藤先輩も驚いた顔をする。
「すごいです!かなり進んでますよ」
と机の上に散らばってる資料を見た日向先輩が声を上げる。
突然の騒がしさに、俺も秋哉も反応出来なくて固まってしまった。
どうやら先輩たちは、昼休憩を使って仕事をするつもりだったらしい。
時計を見るとお昼を過ぎていて、かなり時間が経ってる事に気付いた。
結構集中してたんだな。
「お前らはお昼はもう食べたのか?」
そんな事を考えていると、佐倉先輩がそう聞いてくる。
「いや、まだですね」
と秋哉が佐倉先輩の質問に答えた。
「じゃあ皆で食べるぞ」
そう言って先輩は持っていたお弁当を掲げた。
「……あ、俺、お茶淹れます」
そう言って俺が立ち上がると、皆から『よろしく』と声が掛かる。
お茶を淹れてる最中、先輩たちをチラッと見る。
先輩たちは秋哉と一緒に書類を見ながら何か話している。
俺はその光景がどこか懐かしくて、またこの光景が見られることが嬉しかった。
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