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第436話

昼休みは先輩たちとお昼を食べて、また少し仕事をして、先輩たちは昼休みが終わる少し前に教室に帰っていった。 「秋哉は教室に行かなくていいの?」 ……って、教室に行こうとしない俺が言えた事じゃないけど。 「んー、今日はいいな」 秋哉は書類に目を通しながら言う。 でもいつまでも生徒会室に通う事は出来ないから、明日は教室に行こう。 そう、心に決めた。 ………でも、 俺はチラッと秋哉を見る。 今日だけは、このままで良いかな。 放課後、授業を終えた先輩たちが生徒会室に戻ってきた。 結局授業に出なかった俺たちに呆れ顔を見せつつ、仕事に取り掛かっていた。 「今日はここまでにしとくか」 午後5時、佐倉先輩がグーっと伸びをしながらそう言う。 皆がそれに頷いた。 書類作業は今日1日で1/3ほど進んだ。 秋哉が丸1日作業して、先輩たちも加わってそれで1/3って…… どれだけの仕事量なんだろう。 俺は今更ながらに、生徒会の半端ない仕事量に驚く。 それでもこなしてしまう4人が凄いと思った。 俺たちは帰り支度を終えると、皆で校門まで一緒に向かった。 校門まで来ると、一台の車が停まってる事に気付く。 俺はその車を見て、一目で佐々木さんだと分かった。 俺と秋哉は先輩たちに挨拶をすると、車に乗り込んだ。 「お帰りなさい」 車に乗り込むと、佐々木さんがそう言ってくる。 俺たちは佐々木さんに『ただいま』と返した。 「緋桜くん、どうだった?」 と佐々木さんがバックミラー越しに聞いてくる。 ………どうだったと聞かれても 「今日はずっと生徒会室に居たので」 「え、やっぱり駄目だったの?」 「……そういう訳じゃないんですけど」 どう答えたら良いのか分からなくて、俺は秋哉をチラッと見た。 「秋哉さん、どういう事ですか?」 俺の視線に気付いてか、佐々木さんが今度は秋哉に聞く。 「学校に着いてからすぐに生徒会室に連れていった」 「………そのまま生徒会室で1日過ごした訳ですね」 秋哉がものすごく簡潔に説明すると、それだけで察した佐々木さんがため息をつきながらそう言う。 「あ、あの…ごめんなさい、明日はちゃんと教室まで行くので」 俺はこのまま二人が険悪になるんじゃないかと思って、その前に佐々木さんに謝った。 佐々木さんはそう言う俺に、きょとんとした後クスッと笑った。 「緋桜くんは無理はしない事。 …あ、でも秋哉さんは明日はちゃんと教室に行って授業を受けて下さいね」 「それじゃあ緋桜が一人になるだろ」 「俺は大丈夫だよ?明日は俺もちゃんと教室……」 「無理しない!」 俺がそう言うと、秋哉と佐々木さんにそう言われる。 「…えと、無理はしないから。約束する、無理そうなら絶対秋哉に言うから」 そう言うと、秋哉はため息をついた。 「分かった、じゃあ明日は教室まで行こう」 「うん」

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