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第441話

一通り予習が終わると、俺はまた手持ちぶさたになってしまった。 取り敢えずコーヒーを淹れて一休みすることにした。 カップに粉を入れてお湯を注ぐ。 その瞬間、コーヒーの良い香りが立ち込めた。 俺は淹れたコーヒーを一口飲んでホッと息を吐いた。 ……うん、高橋さんのコーヒーには負けるけど、インスタントでも十分美味しい。 俺はチラッと時計を見た。 もうすぐ授業が終わる。 秋哉、次の休み時間も来るのかな? そう思って、俺はため息をついた。 いつまでも生徒会室に居る訳にはいかないよね。 秋哉はゆっくりで良いって言ってくれるけど、何とか教室には行けるようにならないと。 でも、どうすれば良いんだろう。 前と違って、人が嫌いな訳じゃない。 もっと人の事を知りたいと思う。 俺はもう諦めたくない。 ……どうすれば良いのか、相談してみようかな。 そう思って、俺は携帯を手に取った。

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