447 / 452
第447話
部屋に戻ると、俺はベッドに倒れ込んだ。
秋哉に部屋から追い出されてしまった。
もしかして嫌だったのかな。
鬱陶しかったのかな。
そう思って、俺はため息をついた。
秋哉に押し倒された時、キスされるかと思った。
実際は違ったけど……
俺はそっと自分の唇に触れた。
………キス、しても良かったのに。
そう思って、俺はハッとした。
って!何考えてんの、俺!?
……秋哉にキスして欲しいなんて。
俺はまたため息をついた。
俺から秋哉に触れるのは平気なのに、秋哉から触られるのはダメなんて……
それでも秋哉に触れて欲しいと思ってしまう。
秋哉が我慢してくれてるのは気付いてる。
我慢なんてしてほしくない、我慢なんてさせたくない。
俺は誰も居ない隣に視線を向ける。
ここに帰って来てから、秋哉と一緒に寝てないな……
ちょっと前までは、側に居るだけで、秋哉の気配が感じられるだけで良いと思ってたのに、今は隣に秋哉が居て欲しい。
どんどん欲が強くなっていく。
俺はキュッと体を丸めた。
「…………寂しい」
ともだちにシェアしよう!