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第452話
目を開けると、秋哉の寝顔が目の前にあった。
俺は驚いて思わず飛び起きそうになったけど、秋哉を起こしてしまうと思ってなんとか思い止まった。
ドッドッと脈打つ心臓を深呼吸をして何とか落ち着かせた。
落ち着いたところで、もう一度秋哉を見る。
一瞬どうして秋哉がここに?と思ったけど、夜の事を思い出した。
思い切り泣いて、秋哉にすがってしまったことを思い出して俺は恥ずかしくなる。
俺は一体何やってるんだ!?
いくら寂しくなったからって、秋哉に泣き付くなんて。
……でも、久しぶりにちゃんと眠れたような気がする。
これも秋哉のお陰かな。
そう思って、俺はそっと秋哉の頬に触れた。
俺は秋哉を起こさないようにベッドを出ると、秋哉の部屋を出た。
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(秋哉side)
緋桜が部屋を出ていった事を確認すると、パチッと目を開けた。
起き上がると、俺は大きくため息をついた。
………全然眠れなかった。
服を掴んですり寄ってくるし、抱き付いてくるしで、そんな状態で寝れる訳がない。
そう思って、俺は顔を押さえてまたため息をついた。
まぁでも、俺も色々受け身ではいられない。緋桜にこれ以上寂しい思いをさせない為にも、緋桜と話す必要があるかな。
俺は緋桜を探してリビングに行ってみる。
でもリビングには居なくて、今度はキッチンに行ってみた。
キッチンを覗いてみると、緋桜と佐々木が朝食の支度をしているみたいだった。
「秋哉さん、おはようございます」
俺に気付いた佐々木がそう言って近寄ってきた。
「あぁ、おはよう」
そう返しながら緋桜を見ると、どうやら火を使ってるみたいでコンロの前から離れられないみたいだった。
「秋哉さん目が少し赤いですけど、もしかして眠れなかったんですか?」
「……まぁ、ちょっとな。それより、今日は俺も緋桜も学校を休むから連絡しといてくれないか」
「何かあったんですか?」
「ちょっと緋桜と話がしたい」
そう言うと、佐々木は察したようで『分かりました』と頷いた。
「秋哉」
佐々木と話していると、作ってた料理のキリが着いたのか、緋桜が駆け寄ってきた。
「緋桜、おはよう」
「おはよう」
俺が挨拶をすると、緋桜も挨拶仕返して微笑む。
「良く眠れた?」
そう聞くと、緋桜は少しはにかみながら頷いた。
「…なんか、久しぶりにちゃんと眠れた気がする」
「そっか、それは良かった」
そう言って笑い掛けると、緋桜が俺の服を掴んできた。
「……あの、ごめん」
緋桜が少し俯き気味に言う。
「気にしなくていい。寂しくなったらいつでも来ていい。なんなら今日からまた一緒に寝る?」
そう聞くと、緋桜は少し戸惑った表情を見せた。
俺はそんな緋桜に笑顔を向けた。
「ねぇ緋桜、今日はちょっと話をしようか」
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