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後日猥談 ─初夜─13
どれくらいまで入ったのか、ギチギチに収まったナカが熱くて敵わない。
「深呼吸して」という言葉にも従えないほど、早くも僕の意識は薄れかけていた。
「冬季くん……っ、お願いですから、……きちんと呼吸を……!」
ナカを擦られてるというより、〝拓かれてる〟って感覚の方がどうしても強くて。初めてだから全部は入らないってりっくんが言ってた意味が、今頃になって分かった。
僕のおねだりは無謀だった。
今こんなに苦しくて必死なのに、りっくんの長いモノが奥まで来ちゃったら……イくイかないの前に僕は気を失ってしまう。
それもこれも、……。
「だ、って……! りっくん、おっきい、から……!」
普通の人の、普通のモノだったらもう少し楽だったのかもしれない。でもりっくんのはちょっと……一般的とは言いがたい。
呼吸が下手くそな僕を心配するあまり、動きを止めてるりっくんのモノが凶器過ぎるからいけないんだ。
涙目で「おっきぃ!」と文句を言うと、一生懸命じんわり挿入中のりっくんがムッと唇を噤んだ。
「ン゛ッ……! 冬季くん、今それ言いますっ?」
「ちょっ、また太く……っ!?」
「太くなってません! ナカで動いただけですっ」
「え、っ……ん、……っ? おちんちん、って、勝手に動く……っ、もんなのっ?」
「どういう風に動くのか、あとで見せてあげます! あとで、ですけど!」
「う……、んっ!」
勝手に動くってどういうことっ?
驚いた拍子に僕が入り口を締め付けちゃったせいで、りっくんの眉間が険しくなった。
左手は僕のことを抱いていて、右手は挿入中のモノを握ってるりっくん。
はふはふとままならない呼吸をしてる僕は、ひたすら熱く感じるナカに集中するとおかしくなっちゃいそうで、険しい表情のりっくんをじわりと見上げた。
「りっ……くん、いま、どれくらい……入ってる、のっ……?」
「ふぅ……、今ですか? ……聞きます?」
「ど、どういう意味っ?」
何その言い方……こわいんだけど。
まだ全然入ってないの? それとも案外結構入っちゃってて、〝安心して〟ってこと? どっちの意味?
「少し、体を起こせますか?」
「ん……っ、あっ……」
ぷるっと震えた僕の背中が、りっくんの腕によって少し浮いた。言われるがまま、されるがままに上体を起こすと、ナカがズクンと疼いて指に力が入る。
引っ掻いてしまったそこが、もう院内では着られないほどヨレヨレになってしまっていた。
これはちょっとマズイ体勢、かも……!
痛気持ちいってやつが背中を走り抜けて、ぎゅっと目を瞑った僕に、りっくんが小さな声で「見えますか?」と問うてきた。
「ん……、えぇ……っ!?」
りっくんの視線の先を、僕も追う。どこを見てるのかって、それはまさに繋がった局部……もとい、僕のアナルに三分の一刺さったりっくんのギラギラしたモノだった。
「まだこれだけです。あと指四本分で、全部です」
「そ、そんな……っ!」
え……待って? 挿れ始めてから二十分以上経ってるのに、まだ……これだけしか入ってないの……?
そんなことある? ウソでしょ……?
さっきより呆然となった僕は、ぱたりとシーツの上に沈んだ。
セックスって……大変なんだ……。
りっくんとだからがんばれるけど、マジで他の人たちに許さなくて良かった。我慢できなくて、相手を蹴り飛ばしてる可能性大だ。
「少しキツいですが、俺は最高に気持ちいいです。けれど冬季くんはとてもそうは見えない。このまま動くのも憚られるほどに」
「うっ……でも……っ」
「この位置でまずは慣れましょう。……動いてみます」
「うぁ……っ! あっ……!」
指四本分余った状態でホントに気持ちいいって思えてるのか僕には分からなかったけど、僕が頷くより先にりっくんがじわじわと動き出した。
やだ、まだ動かないで……っ!
視線で訴えたかいなく、ズルズルと挿抜を始めたりっくんに僕は必死な目を向ける。
だってなんか、……なんか……っ、体がヘンだ……!
「……あれ、思ったより……」
「んんっ……! んっ……ふぁ……っ! あぁ……っ」
りっくんが腰を引くと、容赦なくナカをズルっと擦られて思わず声が出た。
どうして……?
痛くない。苦しくない。
勝手に涙は溢れちゃってるけど、りっくんが腰を動かせるくらいには……僕は力んでいなかった。
「冬季くん、全部入るかもしれませんよ」
「へっ!? あっ……?」
「君が開発してくれていたおかげです」
「んくっ……んっ……! はぁっ……あぅ、っ……!」
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