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後日猥談 ─初夜─14
抜き挿しされてるナカが、どんどん拡がってく感覚はあった。
りっくんがグッと腰を押し進めてきた時、僕の体もビクンッと跳ねて全身の力が抜けていく。そのすぐあとには、アナルへの侵入を拒んでるかのように力むの繰り返し。
「あっ……りっく、ん……っ」
ぐちゅっぐちゅっとやらしい音がしてる。普通じゃないりっくんのモノが僕のアナルを限界まで拡げて、熱くナカを擦った。
でもそれは、僕の脳が揺れるほどの挿抜じゃない。
額を流れる汗が僕の胸元に垂れ落ちるくらい、りっくんは我慢して我慢してゆっくり動いてくれてると思うんだ。
薄目を開けてる僕に時々目配せして、フッと微笑んでくれたり、すぐに力尽きて落ちてしまう足を支えてくれたり、必死なのか冷静なのか分かんないとこに大人の余裕を感じた。
「はぁ……っ、冬季くん、指二本分、入りましたよ」
「んぁっ? んっ……ほ、ほんと、っ……?」
「開発の甲斐あって、ナカでナニかが擦れても違和感を覚えないらしく……力まないでいてくれてる……っ。おかげで俺は……っ、動けています……!」
「ぁあっ……! やっ……あっ……!」
りっくんも諦めてた指四本分のうち、二本分も収まったと聞いて嬉しくなった。
擦られる熱さと圧迫感は拭えなくて、寸止めを食らった僕のモノはしょんぼり項垂れてしまってるけど、初めてなんだからしょうがない。
衝撃の連続なんだもん。正直、気持ちいいかって聞かれても大きく頷けはしない。
ただりっくんが……気持ちよさそうだ。
この真冬にいっぱい汗かいて、湿った手のひらで僕に触れるりっくんの表情は、少しだけツラそうだけど恍惚としてると言えた。
イケメンのうっとり顔なんて、そう見られない。それを特等席で眺めることが出来るなんて、僕はなんて贅沢者なんだろう。
「こら、冬季くん……っ。集中、してください」
「んやっ……! なっ、……っ?」
「わかりますよ。君のナカは、……正直ですから……っ」
「あぁっ! やっ……やぁっ……!」
ゆっくり揺さぶられながら、りっくんの顔に見惚れてたことを本人に咎められてしまった。
僕のナカは正直だって。
そんなことを言われると、下腹部がキュンッとして締め付けてしまう。
「あっ……やだっ……りっくん……っ」
そうすると、僕自身もりっくんのモノをリアルに感じることになって自滅するってことを、たった今知った。
むやみに力むと、僕のナカがりっくんのモノをぎゅむっと包み込むようになっちゃうんだ。
これは僕にも、そしてりっくんにもかなり効いた。「うっ」と一言呻いたりっくんが、僕の背中に回していた手を引き抜く。
離れないでと縋るような視線を向けると、りっくんの左手はなぜか僕のお腹辺りを撫でて苦しそうに笑った。
「ここまで、かな。……今日は」
「ふっ……んっ……! んんっ……!」
言うなり、ずちゅっ、とローションの擦れる音を響かせて、ナカの浅いところを意味深に刺激してくる。
ナカを抉るようなりっくんの腰付きは、僕に少しでも快感を与えようとしてるみたいにしつこく繰り返された。
「ぁあっ……待っ……! りっくん、そこっ……ダメ……!」
「ここ? ここですか?」
「いっ、……あぁっ! だめ、だってばぁ……っ!」
先端がナカの何かを擦り上げるたびに、手足までビリビリと痺れるくらい感じてしまった。
「ここかぁ」とひどく満足気な声が遠くに聞こえる。
体中を走り抜けるそれは、漏れてしまいそうな感覚に近い。僕がはしたない声を上げる場所を、りっくんは執拗にぐちゅ、ぐちゅっと擦った。
「冬季くん……可愛い……。ここ、気持ちいいんですね?」
「んやっ……やだ、だめ……っ! しつこく、しないで……! 出ちゃうっ、からぁっ……!」
僕もりっくんもなかなか見つけられなかった前立腺を、りっくんのモノが一番最初に捉えるなんて思ってもみなかった。
しょんぼりしてた僕のモノがたちまち復活して、三度目の正直を狙ってる。違うものまで出ちゃいそうで、僕はりっくんの袖を握って「やめて」と力無く懇願した。
それでもりっくんは止まってくれない。
スローペースで焦らずじっくりを有言実行してくれていた人が、僕の前立腺を捉えた瞬間に人が変わった。
「あっ……だめっ……! りっくん……っ、止まっ、て……! こんな、の……っ、むりだってば……! 出ちゃうぅぅ……っ!」
「一緒にイきましょう」
「違っ……、僕は、違うの……っ、出ちゃ……っ」
「何でもいいです。ほら、……我慢しないで」
りっくんは絶え間なく腰を動かして、濡れまくった僕のアナルの浅いところを抉り続けた。
精液とは違うものが出ちゃいそうだって泣いてる僕のモノを、やっとあったかい手のひらで包み込んで扱いてくれたんだけど……それは今一番してほしくないことだ。
「ひぁ……っ! りっくんっ……だめっ、触っちゃ……! だめだってばぁぁ……っっ!」
「うわ、……っ」
ナカのイイところを突かれながら直に扱かれるのが、よっぽど嬉しかったらしい。
僕はその時、りっくんがギョッとした声を上げて動けなくなるほど、ナカをぎゅぅっと締め付けた。
枕二つ分浮いた腰をぶるっと震わせてりっくんの手を汚した僕に、罪悪感は皆無だ。
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