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可愛く鳴いて *
「また触ってんの?」
「い、いいだろ別に…」
頬を染めながら、確認するようにそっと項を触る。
それが無意識だったのか、横で俺が見ていたことを思い出した葵が、あわてて誤魔化すように頭を掻いた。
学校帰り、そのまま葵の家に直行して体調確認をする。新庄先生が言っていた番った後に出やすい体調の変化は、身近なきいちの具合の悪そうな様子で改めて再認識した。きいちもだが、葵も年上という矜持がそうさせるのか、油断しているとすぐに我慢する。
現に今だって、寂しい雰囲気は出してこそいないけれど、リビングのソファーには昨日俺が着ていたカットソーがクッションに隠されるようにして置いてあった。
そして今はソファーに座った俺の隣にピッタリとくっついてコーヒーを飲んでいる。
番う前は向かい側に座って飲んでいたのに、そんなふうに指摘をして離れられたら嫌なので黙っておくけど、番った後の葵は素直になっていてとてもかわいい。アルファの庇護に入ったオメガの特徴らしいが、そんなふうに無防備に甘えられると色んな所が元気になってしまう。
頬を染めながら熱いコーヒーをグビグビ飲み続ける葵の手からコーヒーをはずさせた。
零したら火傷させるので机にそれを置くと、その細い手をキュッと握った。
「え、え?」
「手は、こっちかな。」
両手を首の後に回させると、疑問符を浮かべながら素直に首に抱きついてくれる。そのまま腰と頭を抱いてソファーに押し倒せば、自体を把握した葵の顔色は一気に鮮やかな赤に染まった。
「ひぅ、…」
ガチンと見事に固まってしまった。至近距離で見つめ続けていると、無理やり抱きつかせた腕に力が微かにはいった。むしろ昼間っから何するんだと拒否をされるかとばかり思ったけど、この様子はもしかするのか。
「なぁ、もしかしてさっきの。誘ってくれてた?」
「ぅう…」
じわりと羞恥で目元を潤ませる葵に、まじか…と思わず呟いてしまった。
「…な、熱は下がったけど体調は?」
ちゅ、とこめかみに口付けを落としながら尋ねる。今ならまだ止められる、もし葵がちょっとでも辛いと言うなら理性を総動員してでも止める。
「わ、…わるかったら…誘ってない…」
ぎゅぅっと腕に力を込めて頬に擦り寄る葵が今日もとってもかわいい。
にやけそうになる顔を頬を噛んで堪えると、やさしく項をなで上げる。
まだガーゼが貼ってあるそこに直接触れることはできない。だけど素直に反応してくれるのが愛おしく、そのまま形のいい唇に口付けた。
「あ、ぅ…っ…ゃめ…っ、」
「やめない、」
「ゃ…あっ!そこ、も、やだぁ…」
胸もとを寛げ、つんと主張する乳首をやわやわと口で挟みながら、時折舌先で優しく舐め嬲る。
葵の弱点の一つを弄れば、上から辛そうな声を上げながらも気持ちいいのか葵の性器はしっかりと主張していた。
ズボンの前たてを開いて、下着から性器を取り出す。葵の口を抑える細い手をとり、それを握らせれば、張りつめた性器は先走りでその手のひらを汚した。
「っ…、おっきい…」
「ん…、すげぇいい…」
首筋に顔を埋めながら、拙い手淫を手伝うかのようにゆるゆると腰を揺らめかせると、無意識なのか少しだけ葵の足が開いた気がした。
「く、ふふ…」
「ん、なに…」
「ん~ん、かぁいいなぁーって思っただけ。」
なんのことだからよくわかっていないところがまたかわいい。葵がその笑みの意味に気づく前に、その唇を塞いだ。
ズボンに手を差し込み、下着ごと抜き取ると、服の裾を引っ張り隠そうとする。シャツが少し大きいためか、胸元ははだけたまま微かに隠せる位の生地の余りも相まってやけに色っぽい。葵の好きなようにさせながら見せつけるように自分の指を舐めると、小さく身を震わしながら感じた顔をした。
「ん…っ、」
尻のあわいから優しく濡らした指を一本入れて様子を見る。目元を赤くしながら浅く呼吸を繰り返す薄い胸は、つんとたった乳首がやけに愛らしくて、ぐるりと熱が下腹部に滞留し、性器を痛いほど張り詰めさせる。番ったのに、こんなに余裕がないとバレるのが気恥ずかしくて、余裕のない葵の顔に少しだけほっとした。
「痛い?」
「ん…へーき。」
「なら、指増やすな」
「あ、…ぅあ、っ…」
ぬく、と二本をさしいれ、ぐにりと感触を確かめるように緩々と抜き差しをする。葵の反応を見なくても前立腺の位置はわかる。体を重ねるうちに主張するようになったくるみほどの大きさのしこりを中指で押し上げると、ぬれそぼった葵の先端からぶぴゅりと精液が吹き上げた。
「っぁ、いく…ぁあ、あっン…」
「ん…上手。ここ、もちっとほぐすから頑張れ。」
「ひぅ、っゃ…またでちゃっ…はず、ぃ…」
「恥ずかしいとこたくさん見せろよ。な?」
「うぅ、…ば、か…ぁっ」
にゅくにゅくと指に絡まるぬかるみを解すように指を動かす。根本まで入れれば、指を深くまで飲み込んで甘えるように締め付ける。ふわふわとろとろだ、熱いくらいの内側の刺激に酔う葵の顔は早々にとろけ、薄い腹と性器をふるわせながら、まるで飢えを表すかのように先走りはよだれのように垂れている。刺激に合わせてひくんと腹で跳ねる性器が可愛くて、ぱくんとくわえた。
「あ、あ!ゆ、ゆうや、ぁ、っ…んぁ、っ…とけちゃ、ぅ…」
「ほへてひーよ。ん、っ…」
「しゃべ、っ…イくぅ…っ」
ブルリと身を震わせ、喉奥に葵の精液を叩きつけられる。勢いに思わず噎せかけるも、ひくひくと余韻に浸りながらゆるゆると腰を揺らめかせる姿に興奮する。
わざと葵の目の前でゴクリと飲み込んでやれば、ぴくんと再び性器から漏れ出た。
「葵、いい?」
「ぁ、っ…、いれ、て…」
「っ、煽んなっての…」
「ひぅ、ぁ、ぁっ」
葵の片足を肩にのせ、猛り立った性器をあてがうと、そのまま媚肉を割開くようにゆっくりと腰を勧めていく。
「ゆう、やぁ…あ、あ、…ぁ、ンっ…」
「っはー‥、葵…」
なるべく衝撃を与えないように挿入したつもりだったが、葵の性器はとろとろと精液を漏らしながら胸元のふたつの突起を主張させるように、快感を散らすためかその背をしなやかに反らしながら涙を零した。
そのあまりにも視界に毒な痴態を見せ付けられ、締め付けにも煽られた俺が取る行動なんて、もはや決まっていた。
「感、じてる顔…かぁいいな、葵…っ、」
「ふ、ぇ…あ、っ!んぁ、っゃ、や、あ!あぅ、っは、つよ、ぃっ!んぁ、あっ!」
「く、っ…わり…お前の、エロい姿っ…たまんね、ぇっ…」
「いや、ぁっつよ。ぃ、いっ!ば、かぁ、ら、めぇ、えっ!」
がしりと細い腰を鷲掴み、そのまま腰を打ち付ける音を響かせながらガクガクと揺さぶった。小刻みに強く往復する性器に内側のしこりを何度も押しつぶされるのが酷く気持ちがいいのか、その表情を否定をしつつも甘く溶けさせながら、数十秒後にはだらしなく口を開けながら揺さぶられるままになっていた。
「ふぁ、あっ、き、もひぃ、っゆぅ、やぁ…っ、おなか、きも、ひ…っ、も、とぉ…ぁン、っひぅ、うっ」
「奥、吸い付く…な、っ…俺も、すげぇいい…っ…」
「んゃ、ァあっぁ、んっあ、ゆぅ、ゃっ、ゆうやぁ、あっぉれ、っイ、ちゃ、ぅうっ…!」
「ン…いい、よ。っ…だせ、」
ぐぽ、と抜けるような音がして、葵の奥に性器を強く押し込んだ。下生えがピタリと臀につくくらい深く挿入した瞬間、まるで吹き上げるかのように葵が精液を撒き散らしす。
「‥ーっ!ぁ、…れた、ぁ…っ…」
顔にまで飛ばした精液を舌で舐めとりながら唇を重ねる。甘やかす様に薄い舌で吸い付くと、思考も全て溶けてしまいそうなくらい気持ちが良かった。
「んぅ、む…んぁ、ふ、っん、んっんっン、ぁ、ふ…っ、」
「っ、ふ…!く、ぁ…っ、あお、い…葵…っ、」
「お、きぃ…っ、ぁ、そこ、ぉっ…ぐりぐ、り…ぃや、あっ!また、でちゃ…!」
「出して、葵の可愛いとこ…全部見せて、」
「っ、でぅ、うっ!ふぁ、ぁあらめぇ、ええっ…」
じょぱっ、と性器の先から潮が漏らしたかのようにばしゃばしゃと二人の腹を汚す。葵の潮を吹く癖が酷くいやらしく、生理現象とおなじ感覚のそれはひどく背徳的なのか、羞恥と開放感が綯い交ぜになったとろけた顔で感じる。
「く、ぁ…っ」
「んぃ、っぁ、あつ…ゆう、ゃの、…でた、ぁ…っ…」
煽りに煽られたら、我慢の限界が来るわけだ。奥深く呑み込ませた性器を、本能の赴くままに深く突き入れてはきだす、長い射精は腰が震えるほどに気持ちが良かった。左右の膝をだらしなく開いた葵は、その性器の先端を引くつかせながら断続的に漏らしていた。
「かわい…葵…な、もっかい。」
「ふ、ぁ…?」
「今度は、もっと恥ずかしくなっちゃうことして、全備漏らして見せて、葵。」
「え、ぁ、っ…ぅそ、また、ぁっ…だめ、ぇ、えっ…」
結局、ソファーの上で抜かずの2発目を決め込んだ挙げ句、潮だの尿だの精液だのを漏らしまくるくらい感じた葵に、煽られた俺が止まるわけもない。
マジ泣きされてお願いされるまで、その濃密な時間を止めることができなかった。
あとから葵につけられた背中の傷に、またじくりと下腹部に熱が集まるのを見た葵から、しばらくエッチはしませんと注意されて悲鳴を上げることになることをわかっていたら、このときの俺を全力で止めていたのに。
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