75 / 105
発作
「んぅ・・・ん?」
あれ。
・・・いつの間にか、寝ていたみたい。
窓を見ると空は白みがかっている。
大体、4時程度、かなぁ。
スマホの電源を入れ、時計を見ると3:54だった。
何時間寝ていたんだろう。
余程、疲れていたのか体が軽い。・・・のだけれど寝すぎでだるくもある。
なんか中途半端?変な感じ。
「取り敢えずシャワー浴びよ」
起き上がった、途端。
ふらりときた。それだけだと、思っていたのに。
突然、体が震えだした。
足が、震える。手も全部、全部。
足は、ちゃんと立っているのか分からないくらい震えていて、ついには倒れてしまった。
手で支えていたけど、震えているから意味も無く。
倒れてからも震えは続いた。
体が、動かない。震えているけど、自分の意思では動かせない。
どうして。・・・・まさか、発作?
どうして。発作なら、数年に1度、あるかどうかくらいなのに。
1年前、あったばかり、なのに。
意識消失をしたのかは分からない。
痙攣で、よくわからなかった。
気づいたら止まっていて。
父さんや母さんに連絡しないと、だめなのかな。
でもこんな時間に言ったって電話出ないに決まってる。
・・・それなら執事さんやメイドさんなら?
いや、迷惑かける。
だからと言って政信叔父様・・・も、だめか。
流石に迷惑をかけすぎてる。
それでも、次に発作を起こしたら。
意識消失をお風呂の中やプール、海で起こしたら今度こそ死んでしまう。
よし。
母さんに教えてもらった家の電話番号にかけてみよう。
それで誰も出なかったら、そのまま。
プルルルル・・・プル
「はい、神風でございます」
あれ、誰だろう、この人。
聞いたことのない声。・・・昨日、居たっけ?
「すみません、神風悠眞ですが・・・」
「ああ、悠眞様でございますか。
旦那様か奥様にお繋ぎしますか?」
「・・・良ければ、お願いします」
「少々お待ちください」
絶対、父さんと母さん寝てるよなぁ。
やっぱり迷惑、だろうか。
少し後。
「悠眞?」という声が聞こえた。
まさに、起きぬけの声で。
「母さん、疲れて寝てたとこごめんね。
ちょっと話したいことがあって」
「ううん、いいの。どうしたの?」
「実は・・・」
僕は母さんにさっきあった出来事を話した。
これは、発作なのかな?と思いながらも母さんはしっかりと聞いてくれた。
「そうねぇ・・・1週間後の通院の時に先生に話してみましょうか。
薬は…、増やされるかもしれないわ。
一応、後で政信さんにはこのことを伝えておくから連絡しなくて大丈夫よ。
気をつけるように、ね?」
「うん。本当、ごめん」
「大丈夫よ。お父さんにも伝えておくから。
悠眞も寝たほうがいいわ。じゃあね?」
「うん、じゃあ」
寝るとしてももう寝れないなぁ。
ああ、本当に、僕の体はどうなっているんだろう。
髪の毛も、すごく抜ける。
それも薬の副作用だって、分かってるけど。
だけどシャワーの時だって、髪の毛を拭くときだって、枕にだって抜けた髪の毛がある。
もう、嫌だなぁ。
ともだちにシェアしよう!