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好きだということ。

「あー・・・食べすぎたかも」 「・・・確かにな。料理が美味しすぎた」 「伶威がそんな事言うなんてほんと珍しいんですよ? それだけ美味しかったってことなんですから」 「あらまぁ、弓月くんったら! でもこれも悠眞と政信さんのおかげだわ」 「びっくりだよ。母さん前まで料理が出来なかったとは思えない手つきだったんだもん」 「そうだぞ。・・・春香、本当にいつの間に」 「克哉さんがお仕事ばっかりして私に構ってくれないからよ?」 「・・・・・それを今言わなくてもいいじゃないか」 「ふふっ、ごめんなさい」 今まで、両親のことをよく見ていなかったせいか。 初めて、こんな姿を見た。 ・・・好き者同士ってこんな感じなのだろうか。 拓巳は僕のことを好きだと言った。 好きなのなら、あんな事は当たり前にやるのだろうか? ・・・ということは、皐太くんや先輩も、いずれは僕に無理矢理あんなことをする? 無理矢理、あんなことを・・・・・・。 「悠眞?どうしたの?」 「母さん・・・、大丈夫。何にも無いよ」 心配させてる。やっぱり。 「そう?ならいいのだけれど」 「ではそろそろ皆さんを送ってくるか。 ・・・悠眞はどうする?一緒に皆さんと行くか?」 「父さん、ありがとう。・・・僕もそろそろ行かなきゃ。 政信叔父様は?」 「それでは私も帰るかな。春香ちゃん、克哉くん。 世話になったね。また料理を一緒に作ろうか。 ・・・その時は克哉くんも一緒に」 「あらあら、言われましたね?」 「作れるようにならないとな・・・」 「じゃあ、またね?」 「また今度。本当に、ありがとね」 「じゃあ、そろそろ行こうか」 父さん、送ってくれるんだ。 最後まで、話せる。 「今日はお世話になりました。 料理、美味しかったです。是非また、よろしくお願いします」 聖人は軽く頭を下げながら礼を述べた。 そんな聖人の様子にくすくすと笑いながら春香は言った。 「長谷川くんだけじゃなくて、皆さん大歓迎ですからね? 食べたい時は事前に悠眞に伝えてください。 悠眞、教えてね?」 「うん、わかったよ」 「・・・最後に一つだけ。悠眞、つらいことがあったら誰でもいいの。 誰でもいいから、言ってちょうだい? 約束、できるかしら」 「約束、するよ」 「よかった。今度こそ、またね?」 「うん」 それからの車の中。 少し父さんと話しながらも先輩たちと話し学校についた。 「何かあったら、いつでも連絡しなさい。 政信さんでもいい。教えてもらうから」 「・・・心配性だね。僕はもう、大丈夫だよ。 またね、父さん」 「そうか・・・。ああ、またな。皆さんもまた、お会いしましょう」 「はい、いずれまた」 父さんは2台の車と共に門から去っていった。 僕のことを思ったのか、みんなはそう大して話もせずそれぞれの部屋に戻っていった。 「なんか、疲れたぁ・・・」 ベッドに寝そべり、呟いた。 今日は料理をたくさん作ったせいか。 それとも、・・・・・あのことからのストレスなのか。 まあ、どうでもいいか。

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