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食事パーティー

「皆さん、先日は悠眞がお世話になりました。 今回は悠眞だけでなく私も皆さんと仲良くなりたいと思っています。 たくさんお話しましょうね?それでは、どうぞお食べください」 その一声でみんながわいわいと騒ぎ出した。 勿論、節度を守りながら、だ。 その時、奈宮がシャンパンを持って悠眞に話しかけた。 「神風の御両親は・・・その、すごいな」 「すごい、ですか?」 「ああ。なんと言うか・・・・お二人共綺麗だ」 「そう、ですかね・・・。でも、確かにそうかもしれません。 僕は、たまに羨ましく感じるんです。 両親のように顔が整っていれば少しは楽に過ごせたかなって」 「いや、お前も整ってるぞ」 「お世辞はいいですよ。まあ、今更こんなこと話しても仕方ないですよね。 さあ先生、食べてくださいよ?僕、頑張って作ったんですから」 「・・・ああ、美味しく頂いてる」 あっという間に時が過ぎ、今は母さんがデザートとしてケーキを出したところ。 僕と母さん、政信叔父様との3人で作った料理は好評だった。 ・・・それにしてもみんなよく食べる食べる。 僕なんて少量のお肉とサラダ、スープを少し飲んでお腹いっぱい。 でもやっぱりデザートは別腹。 ケーキを1カットだけ食べてもうご馳走様。 母さんでももう少し食べるのに僕はほんと少食だ。 テーブルマナーはあまり・・・分かんないど、でも食べる姿がみんな綺麗で。 やっぱ僕なんかとは格が違う。 ・・・・・・皐太くんや長谷川先輩が僕に告白してきたことなんて、気の迷いじゃないかと思い始めてきた。 きっと、勘違いだ。 返事をせずにした方が、諦めるだろうし。 目が覚めてくれる。 このままで、いいんだ。 「まぁーた、ぼーっ、としてる。 悠眞ぁ、やっぱ何かあった?って・・・まああったばっかりなんだけど」 苦笑いしながら問いかけられた。 「皐太くん・・・。大丈夫だよ、そのことじゃないから。 ただ、・・・・・・僕なんかが皐太くんや先輩に告白されてよかったのかなぁって。 そんな資格、ないんじゃないかって思ってたとこ」 「悠眞っていつでもネガティブだよな」 それは、一応自覚してる。 どこまでもマイナス思考。 「うーん・・・、確かにそう、だね。 昔から、そういう癖がついちゃったのかも。 でもまだ、小学校の頃はそうじゃなかったよ。 ・・・我が儘ばっかり」 「うわあ・・・悠眞がそんなとか想像つかねぇ。 まあ今は今で我が儘言っていいと思うけど」 「ありがと」 「・・・今は色々あって無理だと思うけど、ちゃんといずれは告白の返事、ちょーだいね」 「分かった。・・・でも、ちょっと待ってて」 「りょーかい。じゃ、俺はちょっと泰清と話してくるわ。 泰清あいつ食うの遠慮ないからな・・・」 「全然いいのに。・・・ばいばい」 告白の返事、かあ。 やっぱり、・・・選ばなきゃだめなのか。 ・・・いや、敢えて二人とも選ばないって手もある。

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