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準備。
よく晴れた朝。
ん~っ、と伸びをして起き上がった。
痛みもおさまりつつある。
昨日は食材だけ買ってきた。
流石に、メイドさんばっかりには頼めない。
でも、その代わりに護衛の人がついてくるのが条件だったけど、あれがあった後でさそれもしょうがないわけで。
それに買い物から帰ってきたら食事の下拵えをしておいた。
今日は下拵えしたのを料理するだけ。
今日は先日お世話になった、長谷川先輩、皐太くん、弓月くん、伶威くん、拓都くん、泰清くん。
それに、前迷惑をかけてしまった奈宮先生も呼んでの食事会。
「政信叔父様、今日はよろしくお願いします・・・ほんと、手が足りなくて」
「いやいや、大丈夫だよ。
美味しいと言ってもらえるよう、腕を奮わないとね」
「本当に政信さんにお世話になってばかりね・・。
3人で頑張りましょう?」
「うん」
「ああ、そうだね」
「さて、何を作ろうか・・・」
「一応1通りある程度下拵えはしたので・・・」
それから悠眞と春香と政信の3人でひたすら料理を作り続けた。
その間、克哉と使用人達と部屋の飾り付けに勤しんでいた。
料理が作れたら、続々とメイドによってテーブルに並べられていく。
これは完全なパーティーだ。
なんだか、イメージ的にはクリスマスパーティーみたいな、そんな感じ。
「そろそろ俺はみんなを迎えに行ってくるよ」
2人の執事を連れ出かけていった。
流石に2台に分けて連れてくるのだろう。
「うん!」
「行ってらっしゃい」
「私達も急いで仕上げなければな。
スポンジはそろそろ焼けたか?」
「そろそろ大丈夫。冷まして生クリームを塗るんだっけ・・・」
「私、ケーキはちゃんとできるのよ。
冷ます間に生クリームを作っちゃいましょう」
「分かった」
「いちごいちご・・・」
「野菜室よ」
「はーい、あ、あった!」
「あら、薔薇の形のチョコはどこにいったかしら・・・?」
「それは出しといたよ!」
「ありがとう。ほんとね、あったわ」
悠眞と春香が教え合いをしながらケーキを完成させていく。
政信の力もあり綺麗なケーキに仕上がった。
「帰ったよ」
「おかえり、克哉さん。皆さんこんにちは」
「こんにちは。いい匂いですね」
「もう、長谷川くんったら」
「春香・・・いつまでも立って話してないで座らせてあげないと」
「どうぞお席へ」
執事が一人一人の椅子を引いて誘う。
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