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呼び出し

あれからそそくさと奈宮先生と教室を出て別室に行った。 「おい悠眞、大丈夫なのか?」 「・・・本当は大丈夫って言いたいんですけどね」 そう、大丈夫じゃないかもしれない。 心の状態も、身体の調子も。 「前の強姦が原因か?」 「いえ、違います。ただ単に、病気の・・・なんです」 「病気の?」 「病気の・・・発作かもしれないのが、朝に・・・」 「発作?数年に1度あるかどうかなんだろ!?」 「・・・・・・らしい、です」 「まじかよ・・・」 まじです。 数年に1度、あるかないかと言われた筈の発作が朝起きた。 本当に、どうして、という感情が抑えきれない。 さっきの立ち眩みも頻繁に起きてきている。 一応立つ時は急に立たない様に気を付けてはいるんだけど。 対応出来ないよね、こんなんじゃ。 ああ、立つなってこと? そんなの無理に決まってるけど。 「・・・・・病院は、行かないのか?」 「いえ、数日後また通院日なのでその時に先生に言おうかと」 「お前ほんとに大丈夫かよ・・・。 学校でなんかあったら教えろよ?いいな? んで、通院日いつだ」 「分かってますよ。 えっと、確か16日です」 「16日か・・・、なら3日後だな。 担当医になんて言われたか、俺にも教えてくれ」 「はい」 先生は、心配性。 でも、その原因は僕。 迷惑なんて、かけたくないのに。 そんな僕が、嫌だ。 病気があっても無くても、僕はみんなに迷惑をかけてる。 つらい。 迷惑をかけたくない。だけど、かけてる。 気持ちと行動の矛盾。 本当に、嫌だ。

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